チー付与 半グレ編とは?半分の正体と結末を考察【ネタバレ注意】

その他作品考察

『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』、通称『チー付与』の漫画版で、もっとも人気の高い長編として語られるのが「半グレ編」です。

ギャグ漫画だと思って読んでいた読者が、この半グレ編で作品の印象をがらりと変えたという声も少なくありません。

この記事では、チー付与の半グレ編とは何巻から何巻までなのか、半グレとリーダー「半分」の正体、来来軒から王国との全面対決までの流れ、そして半グレ編の結末を考察します。

漫画版の半グレ編の結末に触れるため、ネタバレ注意でお読みください。

なお、半グレ編で半分と一騎打ちを繰り広げた青の水晶のギルドマスターについては、チー付与 エルシー・ゾラとは?青の水晶を作った理由と半分戦を考察【ネタバレ注意】で詳しくまとめています。

チー付与をコマで読み返すなら
ここで書いた読み方を頭に入れて読み返すと、同じ場面でも見えてくるものが変わります。DMMブックスなら試し読みから電子で読めます。

チー付与をDMMブックスで読む

チー付与の半グレ編とは?何巻から何巻まで?

まずは、半グレ編の範囲を整理します。

講談社の単行本紹介文を見ると、半グレ編が本格的に動き出すのは7巻です。

7巻では、半グレの目をレインからそらすために、ミラベルが単身で半グレの集団に乗り込みます。

そして12巻の紹介文では、「半グレ編、ついにクライマックス!!」と明記されています。

そのため、半グレ編はおおむね7巻から12巻にかけての長編と考えてよいでしょう。

ただし、半グレの元になる出来事は序盤から少しずつ積み上げられており、事件の後始末まで含めると13巻の頭にもかかっているという読者の整理もあります。

なお、半グレは漫画版オリジナルの組織で、原作小説には登場しません。

半グレの正体とは?王獣の牙を離れた元団員たち

チー付与の半グレは、現実の言葉としての「半グレ」とは成り立ちがまったく違います。

正体は、レインを追放した大手ギルド『王獣の牙』を見限って離れた元団員たちの集まりです。

レインが強化をすべて解除したことで、王獣の牙は弱体化し、主力メンバーが次々と離れていきました。

その中心にいたのが、副ギルドマスターのグレンダを親のように慕っていた若い冒険者です。

彼は「俺の半分はグレンダでできている」と口にするほどグレンダに恩義を感じていたことから「半分」と呼ばれるようになりました。

そして、半分が率いる集団が「半分グレンダ」、略して「半グレ」と呼ばれるようになったのです。

ところが、グレンダはコーネリアスに雇われた暗殺者ミラベルによって殺されてしまいます。

アニメ第4話の公式あらすじでも、コーネリアスがミラベルを雇い、グレンダの殺害を計画する場面が紹介されています。

半グレという組織は、この喪失を出発点にして生まれた集団だと言えます。

バリオスとグレンダ|半グレ誕生の裏にある王獣の牙の崩壊

半グレ編を理解するには、半グレが生まれる前の王獣の牙で何が起きていたのかを押さえておく必要があります。

レインを追放したギルドマスターのバリオスは、強化を失ったギルドの評判が落ち、主力メンバーにも離反されていきます。

レインに戻ってくるよう頼んでも断られたバリオスは、最終的に自らの手でギルドを解散しました。

その後のバリオスは、キッチンカーを開いて第二の人生を歩み始めます。

マーガレットに青の水晶への加入を勧めるなど、追放した側の人間とは思えないほど穏やかな姿も描かれました。

しかし、そのバリオスは半グレのメンバーによって命を奪われてしまいます。

一方の副ギルドマスター・グレンダは、レインと揉めて勝手に動くコーネリアスを止めようとして、コーネリアスが雇ったミラベルに殺されました。

グレンダを慕っていた半分たちにとって、この死がギルドを離れる決定的なきっかけになります。

追放した側のトップは第二の人生の途中で倒れ、副ギルドマスターは仲間の裏切りで命を落とした。

王獣の牙の崩壊は、レインの「ざまぁ」で終わらず、多くの人の人生を狂わせていったのです。

半分とは?「孤独な奴の手は俺が取る」リーダーの素顔

半グレのリーダーである半分は、TVアニメでは岡本信彦さんが声を担当します。

アニメ公式サイトでは、王獣の牙に所属する冒険者で、本名は不詳と紹介されています。

漫画版の半分は、身寄りのない孤児だったところをグレンダに見いだされ、王獣の牙に迎え入れられた過去を持ちます。

孤独から引き上げてくれたグレンダへの恩義から、自分も同じように孤独な者の手を取ると決めており、半グレには行き場を失った者たちが集まっていました。

仲間への面倒見は徹底していて、負傷した仲間の治療を抗争より優先する場面もあります。

その一方で、敵や裏切り者には容赦がなく、命乞いをするコーネリアスを手にかけるなど、悪党としての冷酷さもはっきり描かれています。

能力は空気を自在に操るもので、圧縮した空気の塊を撃ち出す攻撃から、空気のドームによる防御まで、ひとつの能力を何通りにも使い分ける実力者です。

半グレのメンバー|能力を生かした頭脳戦の担い手たち

半グレは、ただ数が多いだけの無法者集団ではありません。

王国に追われる身になっても半分に従い続けた中心メンバーは、いずれも王獣の牙の時代から実力を認められていた冒険者たちです。

魔力の弾を撃つエンディ、空間を入れ替えるタケ、催眠や幻覚を操るコージ、植物を成長させるソウタ、読心のコゲなど、それぞれが固有の能力を持っています。

チー付与の世界では、手の内を知られることが命取りになるため、冒険者は自分の能力を簡単には明かしません。

そのため半グレ編の戦いは、能力の正体を探り合い、相手の読みの裏をかく頭脳戦の色合いが強くなっています。

半分自身も、攻撃と防御を同時にはこなせないという弱点を、瞬間移動に近い能力を持つ仲間をそばに置くことで補っていたとされます。

一人ひとりに役割があり、仲間同士で弱点を埋め合う集団だからこそ、半グレは王国や青の水晶にとって手ごわい敵になりました。

なぜ半グレ編は人気なのか?ギャグ漫画の印象を変えた長編

半グレ編がチー付与の中でも特に人気を集めている理由は、作品の印象そのものを塗り替えた点にあります。

序盤のチー付与は、レインの奇行や長いサブタイトルに象徴される、ギャグの比重が大きい作品でした。

ところが半グレ編では、親しい人物の死や、拉致、全面抗争といった重い出来事が続き、笑いとシリアスの落差が一気に大きくなります。

しかも、敵である半グレの側にも、恩人を失った悲しみや、行き場のない者同士の絆が丁寧に描かれています。

悪役を単純な悪として片付けないことで、読者は半グレにも感情移入してしまい、決着の場面がより重く響くのです。

半グレという名前が、当初は「半分グレンダ」というダジャレのような一発ネタに見えたことも、このギャップを大きくしています。

笑っていた名前が、最後には泣ける名前に変わる。

この反転こそが、半グレ編がファンの間で語り継がれている最大の理由だと言えるでしょう。

半グレ編のあらすじ|来来軒、暗殺の母、そして王国の討伐命令

ここからは、講談社の各巻紹介文を軸に半グレ編の流れを追います。

7巻では、ミラベルが半グレに潜り込む一方で、半グレが青の水晶を襲撃しようとしていると知ったエルシーが、半グレに暗殺の母をぶつけることを思いつきます。

紹介文の「半グレVS.暗殺の母、絶望のドリームマッチ勃発!!」という一文が、この巻の空気をよく表しています。

8巻では、レインたちがラーメン屋「来来軒」の店主・次郎と娘のチャーシューを、半グレの嫌がらせから護衛する展開になります。

半グレからは嫌がらせを受け、町の人々からは厄介ごとを押し付けられる来来軒に、究極の二択が迫るという、日常と抗争が地続きになったエピソードです。

9巻で物語は大きく動きます。

「俺が王になる」という一言をきっかけに、王が半グレの討伐を命じ、半グレは王国そのものを敵に回すことになります。

同じ9巻で、レインは自動車に強化付与を施して魔力と科学を両立させる「魔科両立」を成し遂げますが、その反動で能力を使えなくなってしまいます。

10巻では、それぞれの二度目の人生をかけた全面激突が始まります。

11巻では、能力を失ったレインが半グレに捕らわれ、初めて出会う圧倒的な恐怖と暴力にさらされます。

そして11巻から12巻にかけて、エルシーと半分が、それぞれ仲間を守るために一騎打ちで激突します。

半グレ編の結末|半分が最後に選んだ道

半グレ編の結末は、勧善懲悪のすっきりした決着ではありません。

エルシーとの一騎打ちを経て、レインたち青の水晶と王国軍が合流した総力戦の末、追い詰められた半分は自爆という道を選んだとされます。

レインは強化付与を施した布や網で爆風を抑え込み、被害を食い止めようとします。

半分の生死がはっきり描かれていないと受け止める読者もおり、その余韻も含めて半グレ編は強い印象を残しました。

決着のあとには、生き残った半グレのメンバーに焦点を当てた後日談も描かれ、連載当時に大きな反響を呼んでいます。

悪党として倒されたはずの半グレの側にも、それぞれの人生と居場所があったことを最後に見せる構成です。

この後日談があることで、半グレ編は単なる抗争劇ではなく、追放された者と、自ら去った者たちの物語として締めくくられています。

独自考察|半グレ編は「追放しなかった側のセカンドライフ」の物語

ここからは筆者の考察です。

チー付与の正式なタイトルには、「残った人たち大丈夫?」という問いかけが含まれています。

筆者は、半グレ編こそがこの問いにもっとも真剣に答えたエピソードだと考えています。

レインは王獣の牙から追放され、青の水晶でセカンドライフを始めました。

一方で半分たちは、追放されたわけではなく、恩人を失い、居場所が崩れていくギルドから自分の意思で去った人たちです。

つまり半グレは、レインの追放によって人生が狂った「残った人たち」の、もうひとつのセカンドライフの形なのです。

10巻の紹介文にある「それぞれの二度目の人生をかけて」という言葉は、その構図を端的に表しています。

もう一つ注目したいのは、半分とレインが同じ「孤独な者の手を取る」側の人間だという点です。

レインは、心に傷を抱えたリリィやミラベルを否定せず、まっすぐ受け入れてきました。

半分もまた、行き場のない者たちを仲間として迎え入れてきました。

二人の違いは、迎え入れた先にあった場所が、王国の内側の小さなギルドだったか、王国に牙をむく集団だったかという点だけです。

そう考えると、半グレ編でレインが能力を失うという展開にも意味が見えてきます。

チート級の力を失ったレインは、強化付与という特別な才能ではなく、人として半分と向き合うしかなくなりました。

半グレ編を境にレインがシリアスな場面もこなす主人公へ成長していくのは、この経験があったからだと筆者は見ています。

アニメ1期で半グレ編まで描かれる可能性は低いと考えられますが、続編が作られるなら、間違いなく最大の山場になるエピソードです。

本記事の各巻の展開は、講談社の単行本紹介文とTVアニメ『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』公式サイトの記載をもとにしています。

原作漫画は業務用餅さんによる作品で、講談社「月マガ基地」で連載されています。原作小説は六志麻あささんの作品です。

半グレ編の結末の細部や登場人物の心理に関する部分は、読者の整理と筆者個人の考察を含み、公式設定ではありません。

まとめ

チー付与の半グレ編は、おおむね単行本7巻から12巻にかけて描かれる漫画版オリジナルの長編です。

半グレの正体は王獣の牙を離れた元団員たちで、リーダーの半分がグレンダを慕ったことが名前の由来になっています。

レインの追放によって人生が狂った「残った人たち」のセカンドライフを描いた点に、半グレ編がここまで支持される理由があると筆者は考えます。

半グレ編がアニメで描かれる可能性については、アニメの考察記事でも触れているので、あわせて読んでみてください。

チー付与をコマで読み返すなら
ここで書いた読み方を頭に入れて読み返すと、同じ場面でも見えてくるものが変わります。DMMブックスなら試し読みから電子で読めます。

チー付与をDMMブックスで読む

※本記事はアフィリエイト広告を含みます

コメント

タイトルとURLをコピーしました