※この記事は『黙示録の四騎士』260話「復活の日」のネタバレを含みます。ネタバレ注意です。
黙示録の四騎士260話「復活の日」は、目覚めたエリザベスとの短い再会を経て、心を失っていたメリオダスが再び立ち上がる回でした。
二人の会話の中身、トリスタンが今メリオダスを必要としている理由、そして「復活」したのは誰だったのかを考察します。
なお、前提となる259話の内容は黙示録の四騎士259話考察|ゼルドリスが夢で託した民と目覚めたエリザベスで詳しくまとめています。
- 黙示録の四騎士260話あらすじ|エリザベスが「心配で戻っちゃった」
- メリオダスが失っていたもの|「酒の味すらなくなっちまった」
- エリザベスの「後悔なんてしてない」|永遠の生と永劫の輪廻の呪い
- 「お前には敵わねえな」|二人の会話に戻ったいつもの空気
- 「永遠に続くものだってあるわ」|私たちの絆という答え
- トリスタンが必要としているもの|「父親であるあなたの存在」
- トリスタンとランスロット|魔神の血の暴走から救われた過去
- 「もう心配いらないわよね?」|目覚めは現実だったのか
- 「飯を頼んでいいか?」|一週間ぶりに部屋を出たメリオダス
- 「俺はもう何も怖れねえ」|メリオダス復活の意味
- 七つの大罪との対比|メリオダスを立ち上がらせたのは誰だったか
- 独自考察|「父親」と「英雄」の順番に込められた意味
- まとめ|黙示録の四騎士260話はメリオダス復活の日
黙示録の四騎士260話あらすじ|エリザベスが「心配で戻っちゃった」
259話のラストで、ベッドの上で体を起こしていたエリザベス。
260話は、その姿を前にしたメリオダスの「目を…覚ましたのか……!?」という驚きから始まります。
どうやって目を覚ましたのかと問うメリオダスに、エリザベスは「心配で戻っちゃった」「あなたのことが見てられなくて」と答えました。
メリオダスは思わずエリザベスを抱きしめます。
するとエリザベスは、ちょっとニオうかも、お風呂入ってないでしょと一言。
メリオダスは「にしし、バレたか」と笑います。
前作から変わらない二人のやり取りに、ほっとした読者も多かったのではないでしょうか。
その後、二人は手をつないでリオネスの街を歩きながら言葉を交わします。
そして会話の最後に、エリザベスはメリオダスの背中を押し、物語は思いがけない形で現実へと戻っていきました。
メリオダスが失っていたもの|「酒の味すらなくなっちまった」
街を歩きながら、メリオダスは自分の状態を打ち明けます。
お前が二度と目を覚まさないと感じた瞬間から、周囲の声や音も、見える景色の色も失せて、酒の味すらなくなってしまった、と。
前作のメリオダスは、豚の帽子亭の店主として、いつもエールを片手にしていた人物です。
その酒の味がわからなくなったという言葉は、メリオダスが生きる楽しみそのものを失っていたことを示しています。
話の柱でも、メリオダスは「愛するエリザベスが目覚めなくなったことで、今は心が空っぽになっている」と紹介されていました。
259話でゼルドリスの頼みを「無理だ」と断ったのも、気力の問題というより、世界の手触りそのものが消えていたからなのでしょう。
エリザベスの「後悔なんてしてない」|永遠の生と永劫の輪廻の呪い
メリオダスの告白を聞いたエリザベスは、こう問いかけます。
じゃあ後悔したの、私とあなたにかけられた永遠の生と永劫の輪廻の呪いを解いたことを、と。
前作『七つの大罪』で、メリオダスには「永遠の生」、エリザベスには「永劫の輪廻」という呪いがかけられていました。
エリザベスは何度死んでも生まれ変わり、メリオダスは何度でも彼女を失い続ける。
三千年にわたる二人の旅は、この呪いを解くための旅でした。
呪いが解けた今、二人はほかの人と同じように限りある命を生きています。
だからこそ、今回のエリザベスの昏睡には「次の転生」という救いがありません。
メリオダスは、後悔しているわけではないと答えたうえで、別れがあまりに突然すぎて、お前と何一つ言葉を交わせなかったと続けます。
エリザベスは、ごめんなさいと謝りながらも、私は後悔なんてしていないと言い切りました。
たくさんの人々、七つの大罪、そして何よりあなたを守ることができたのだから、と。
話の柱では、エリザベスは「キャスとの戦いで、代償の大きい神々の領域を仲間のために使用した」と紹介されています。
259話でゼルドリスが「エリザベスなら自分の力で兄者を守ったことを後悔しているとでも言うと思うか」と問いかけた内容に、エリザベス本人が答えた形です。
ゼルドリスがゲルダから受け取った言葉が、260話でエリザベス自身の口から裏付けられたことになります。
「お前には敵わねえな」|二人の会話に戻ったいつもの空気
エリザベスが後悔していないと言い切ったあと、メリオダスは「さてさてさーて」とおどけてみせ、「お前には敵わねえな」と笑いました。
「さてさてさーて」は、前作から続くメリオダスのおなじみの口癖です。
259話で「無理だ」と弱音を吐いていたメリオダスの口から、この口癖が出てきたこと自体が、心が戻り始めた合図だったと感じます。
エリザベスに敵わないという言葉も、三千年連れ添った夫婦ならではのものです。
一方的に慰められるのではなく、いつもの冗談を返せるところまで戻ってきた。
この小さな変化があったからこそ、後半の「俺はもう何も怖れねえ」という宣言に説得力が生まれています。
「永遠に続くものだってあるわ」|私たちの絆という答え
エリザベスの言葉で最も印象的だったのは、次の一連の台詞です。
失うことを恐れないで。
永遠の生なんて存在しない。
でも永遠に続くものだってあるわ。
私たちの絆よ。
この言葉は、呪いを解いた二人だからこそ意味を持ちます。
かつての二人は、呪いという形で「永遠」を強制されていました。
その呪いを自ら断ち切ったエリザベスが、命は永遠ではないと認めたうえで、絆だけは永遠に続くと語る。
メリオダスは「ああ」「そうだな」と応え、エリザベスの手を強く握り返しました。
三千年をかけて呪いを解いた物語の答えが、続編のこの場面で改めて示されたように感じます。
トリスタンが必要としているもの|「父親であるあなたの存在」
エリザベスは続けて、今あなたを一番必要としているのは誰かを忘れないで、と語りかけます。
見開きで描かれたのは、二本の剣を構えるトリスタンの姿でした。
そしてエリザベスは、そのトリスタンを「私たちの愛よ」と呼びます。
エリザベスによれば、トリスタンは大切な親友を救うために必死にもがいているところです。
メリオダスは、ランスロットのことを言っているのか、夢でゼルドリスが言っていたことは事実なのかと問い返します。
ここでエリザベスは、メリオダスがかつて仲間にしてきたことを思い出させます。
エレインを失って傷ついていたバンたちを、メリオダスは救った。
そしてバンは、メリオダスを救うために煉獄へ身を投じた。
トリスタンも同じで、かつて魔神の血の暴走に怯えていた自分を救ってくれたランスロットを、今度は自分が救いたいと思っている。
ただし、今回の件ばかりはトリスタン一人の手に負えるものではない。
今トリスタンが必要としているのは、父親であるメリオダスの存在と、あの子の英雄である七つの大罪メリオダスの力だと、エリザベスは伝えました。
救われた者が、今度は救う側に回る。
メリオダスとバン、ランスロットとトリスタンという二つの関係が重ねられていることがわかります。
トリスタンとランスロット|魔神の血の暴走から救われた過去
エリザベスが語ったトリスタンの過去についても、もう少し掘り下げておきます。
トリスタンは、魔神族のメリオダスと女神族のエリザベスの間に生まれた子です。
二つの種族の血を引くトリスタンは、魔神の血が暴走することを恐れてきました。
その恐れから自分を救ってくれたのが、ランスロットだったとエリザベスは言います。
今のランスロットは、混沌に支配され、自分の意思とは関係なく魔界を滅ぼしてしまった状態です。
自分の中の力に飲み込まれる怖さを、トリスタンは誰よりもよく知っています。
だからこそトリスタンは、カオス・ランスロットを敵としてではなく、かつての自分と同じ苦しみの中にいる親友として見ているのでしょう。
259話でゼルドリスが、ランスロットを恋人を人質に取られていたかつての自分に重ねたのと、よく似た構図です。
ランスロットの苦しみを本当の意味で理解できる者が、魔神の側に二人いる。
この重なりは、ランスロット救出の鍵を握るのが魔神の血を引く者たちであることを示しているように思えます。
「もう心配いらないわよね?」|目覚めは現実だったのか
エリザベスの回想には、英雄の息子かと言われながら、まだまだと剣を振る幼い日の稽古の場面も描かれていました。
伝説の英雄の息子という肩書きは、トリスタンにとってずっと重荷だったはずです。
それを見届けたエリザベスは、小さく笑ってから「もう心配いらないわよね?」と問いかけます。
エリザベスと呼びかけたメリオダスが振り向いた先にあったのは、翼を広げたまま、ベッドで静かに眠り続けるエリザベスの姿でした。
つまり、259話ラストから続いた目覚めは、エリザベスが本当に回復したわけではなかったのです。
夢だったのか、それとも眠ったままのエリザベスの心が一時だけメリオダスのもとへ来てくれたのか。
作中ははっきりとは語っていません。
個人的には、後者だと読んでいます。
お風呂に入っていないことを指摘する、メリオダスがお前には敵わねえなと照れるなど、会話があまりにも二人らしく具体的だったからです。
エリザベス自身が「心配で戻っちゃった」と言っていたことも、ただの夢ではなかったことを示しているように思えます。
259話考察では、目覚めたエリザベスがキャスの罠である可能性にも触れました。
実際には罠ではなく、エリザベスがメリオダスを立ち上がらせるために一度だけ戻ってきた、という形で決着しました。
「飯を頼んでいいか?」|一週間ぶりに部屋を出たメリオダス
場面はリオネス城の廊下に移ります。
侍女と兵士が、もう一週間陛下は何もお召し上がりになられていない、心配だと話しているところに、扉が開きます。
現れたメリオダスは「出てくる」と言い、続けて「それから飯を頼んでいいか?」と頼みました。
驚きながらも「ただちに!!!」と答える侍女の姿に、城の人々がどれほど王を案じていたかがにじみます。
エリザベスに「お風呂に入っていない」と言われたのも、一週間何も食べていなかったことを考えれば納得です。
酒の味すらわからなくなっていた男が、自分から食事を頼む。
派手な覚醒の演出ではなく、ご飯を食べるという当たり前の行動で「復活」を描いたところに、この回の温かさがあると感じました。
「俺はもう何も怖れねえ」|メリオダス復活の意味
ラストでは、メリオダスが回廊をまっすぐ歩いてきます。
見ていてくれ、エリザベス。
俺はもう何も怖れねえ。
この言葉は、エリザベスの「失うことを恐れないで」への返事になっています。
メリオダスが立ち止まっていた理由は、エリザベスを失った悲しみだけではありませんでした。
これ以上何かを失うことへの恐れが、メリオダスを部屋に閉じ込めていたのです。
その恐れを手放すと宣言した以上、メリオダスはもう誰かを失う覚悟を決めて戦場に向かうことになります。
柱には「英雄復活!!」「来る対カオス・ランスロット戦に向け、最強の戦力が再び集い始める!!」と書かれていました。
サブタイトルの「復活の日」が指していたのは、エリザベスではなくメリオダスの復活だったことになります。
七つの大罪との対比|メリオダスを立ち上がらせたのは誰だったか
前作『七つの大罪』でも、メリオダスが自分を見失いかけた場面は何度かありました。
そのたびに、メリオダスを引き戻してきたのは仲間たちであり、エリザベスでした。
260話でエリザベスが挙げた、バンがメリオダスを救うために煉獄へ身を投じたという出来事も、その一つです。
ただ、今回はその構図が少し違います。
エリザベスは、自分のためにメリオダスに戻ってきてほしいとは一度も言っていません。
求めたのは、トリスタンのところへ行ってあげて、ということだけでした。
三千年間、メリオダスにとって生きる理由はエリザベスでした。
そのエリザベスが、自分ではなく息子を生きる理由にしてほしいと託した。
これは、エリザベスがメリオダスの人生の中心を、自分から次の世代へと手渡した場面だと読めます。
前作がメリオダスとエリザベスの物語だったとすれば、続編である黙示録の四騎士は、その二人が子どもたちの世代に物語を譲っていく物語なのだと、改めて感じさせられました。
独自考察|「父親」と「英雄」の順番に込められた意味
ここからは260話を読んで考えた独自の視点です。
エリザベスは、トリスタンが必要としているものを「父親であるあなたの存在」と「あの子の英雄メリオダスの力」の順番で語りました。
力より先に、存在を挙げている点が重要だと考えます。
黙示録の四騎士でのメリオダスは、リオネス国王であり、トリスタンにとっては偉大すぎる父親でした。
英雄の息子と言われ続けることは、トリスタンにとって励ましであると同時に、越えられない壁でもあったはずです。
エリザベスがまず求めたのは、強さで問題を片付けることではなく、苦しむ息子のそばにいる父親であることでした。
今回の話でメリオダスは、ゼルドリスの「民を頼む」、エリザベスの「トリスタンを頼む」という二つの頼みを受け取っています。
この二つの頼みは、どちらもランスロットの救出につながっています。
ゼルドリスはランスロットを救ってやってくれと言い、エリザベスはランスロットを救おうとするトリスタンを助けてと言った。
メリオダスが向かう先は、カオス・ランスロットを倒す戦いではなく、ランスロットを取り戻す戦いになると読んでいます。
そしてその戦いの中心に立つのは、メリオダスではなくトリスタンになるのではないでしょうか。
父親が前に出て全てを解決するのではなく、息子が親友を救うのを後ろから支える。
それこそが、エリザベスが言った「父親であるあなたの存在」の意味だと考えます。
まとめ|黙示録の四騎士260話はメリオダス復活の日
黙示録の四騎士260話「復活の日」の考察をまとめます。
目覚めたように見えたエリザベスは、メリオダスを心配して一度だけ戻ってきた存在で、現実のエリザベスは今も眠り続けています。
エリザベスは、呪いを解いたことを後悔していないと伝え、永遠に続くものは私たちの絆だと語りました。
そして、親友ランスロットを救おうともがくトリスタンには、父親としてのメリオダスが必要だと背中を押します。
一週間ぶりに部屋を出て食事を頼んだメリオダスは、「俺はもう何も怖れねえ」と宣言し、英雄として復活しました。
メリオダスが救いに向かうランスロットがなぜここまで追い詰められたのかは、黙示録の四騎士 ランスロットの「限界」とは|悪意を押さえ込んだ反動とキャスの罠で詳しく考察しているので、あわせて読んでみてください。
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