黙示録の四騎士255話考察|惨劇の魔界でランスロットが叫んだ「俺を殺してくれ」

黙示録の四騎士

※この記事は『黙示録の四騎士』255話「惨劇の魔界」のネタバレを含みます。
黙示録の四騎士255話は、魔界に降り立ったカオス・ランスロットが魔人たちを蹂躙していく回でした。
しかしその剣の裏では、自我をかろうじて保つランスロットが「逃げろ」「俺を殺してくれ」と叫び続けています。
ギネヴィアを閉じ込めた理由、キャスが口にした「選択肢がなくなる」の意味、そして最後に現れた魔人化ゼルドリスの問いかけまで、255話を順に考察していきます。
なお、前提となる254話の内容は黙示録の四騎士254話考察|湖の姫の正体と魔界に現れたランスロットで詳しくまとめています。

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黙示録の四騎士255話「惨劇の魔界」あらすじ|表紙から始まるカオス・ランスロットの蹂躙

255話は「この男の後ろに道はなく」という一文が添えられた表紙から始まります。
ランスロットが歩いてきた跡には何も残っていない、という構図です。
リオネス、そして永遠の王国を破壊してきた道のりが一枚で伝わり、恐ろしいのに思わず見とれてしまうほど格好いい扉絵でした。
舞台は魔界です。
現れたカオス・ランスロットを前に、魔人たちは戸惑います。
2年前に魔界を救ってくれた英雄の一人が、なぜ殺気をまき散らしながら立っているのか、と。
ここでキャスに完全には取り込まれていないランスロットが「俺から逃げろ、俺の目が届かねえ所に」と伝えます。
しかし魔人たちはこれを冗談半分に受け取り、むしろ魔王のもとへ案内しようとしてしまいます。
結果は想像どおりで、一振りで多くの魔人がなぎ倒されました。

ランスロットの「逃げろ」はなぜ届かなかったのか|英雄という肩書きが生んだ悲劇

この場面で胸に刺さるのは、ランスロットの警告が正しく届かなかった理由です。
魔人たちにとって、ランスロットは聖戦後の魔界を救った恩人です。
その英雄が「逃げろ」と言っても、危険の知らせではなく、冗談にしか聞こえなかったのでしょう。
信頼があったからこそ逃げ遅れた、という皮肉な構図になっています。
254話までのリオネスや永遠の王国では、人々はランスロットを最初から脅威として見ていました。
一方で魔界では、彼を味方だと信じる者たちが最初の犠牲になりました。
タイトルの「惨劇」は、単に被害の大きさだけでなく、この信頼の裏切られ方を指しているように感じます。

閉じ込められたギネヴィアとキャスの本音|魔界の瘴気が示すランスロットの優しさ

場面は変わり、ランスロットによって閉じ込められているギネヴィアが描かれます。
ギネヴィアは外に出してと訴えますが、ランスロットからの返事はありません。
代わりに応えたのはキャスでした。
魔界の瘴気に人間が触れたらただでは済まない、だから出すわけがない、と。
キャスの口から語られてはいますが、これはランスロットの意思そのものだと読めます。
自分の体はもう止められない、それでもギネヴィアだけは守る、という最後の一線です。
破壊の化身になりながら、大切な人の身体を気遣う優しさは失っていないことがわかる、静かで印象的なシーンでした。
続けてキャスは、ブリタニアと妖精界を避けようとするランスロットに苛立ちを見せます。
そして「いずれ選択肢はなくなる、楽しみはとっておくさ」と言い残して、この場面は終わります。

キャスの「選択肢がなくなる」とは|ブリタニアと妖精界を避けた本当の理由

254話でキャスは、次の標的として妖精界かブリタニアかをランスロットに迫っていました。
ところが実際に向かった先は魔界です。
ここから読み取れるのは、ランスロットが残った自我で行き先だけはねじ曲げたということです。
妖精界には両親のキングとディアンヌが、ブリタニアには仲間たちがいます。
魔界を選んだのは、そこにメリオダスとゼルドリスという、自分を止められるかもしれない存在がいるからではないでしょうか。
キャスの「選択肢がなくなる」という言葉は、魔界まで滅ぼせば、次に向かう先はもうブリタニアか妖精界しか残らないという意味だと考えられます。
つまりキャスは、ランスロットの抵抗を承知のうえで泳がせているわけです。
抵抗すればするほど、最後に大切な場所を壊す瞬間の絶望が大きくなる。
「楽しみはとっておく」という言い回しに、キャスの悪意の深さがにじんでいました。

「王様、ごめん」「トリスタン、俺を恨んでくれ」|ランスロットの心の叫びを考察

再びランスロットの場面に戻ると、魔人たちが次々と蹴散らされていきます。
その最中、ランスロットは心の中で「王様、ごめん」「トリスタン、俺を恨んでくれ」とつぶやきます。
ここでの王様は、前作から「王様」と慕ってきたメリオダスのことだと読むのが自然です。
メリオダスが守ってきた魔界を、自分の手で壊していることへの謝罪でしょう。
そしてトリスタンに向けた「恨んでくれ」は、許しを求める言葉ではありません。
恨んででもいいから自分を止めてほしい、という願いに近いと感じます。
トリスタンはメリオダスの息子で、魔界は彼にとっても縁の深い場所です。
親友の故郷を壊している自覚があるからこそ、許されることを最初から諦めているのだと思います。
読んでいて胸が苦しくなる、今回いちばん重い場面でした。

奈落(アビス)への避難と星霜の反撃|デス・ペネトレーションとシャイニング・ロード

魔界ではゼルドリスから非常事態が告げられ、民は奈落(アビス)へ避難するよう命じられます。
奈落は、かつて前魔神王の精鋭である十戒の一人、無欲のゴウセルが500年間幽閉された場所です。
七つの大罪のゴウセルの生みの親でもあるあの人物が閉じ込められていた場所だけに、魔人たちは入ることをためらいます。
そこで反撃に出たのが、星霜と呼ばれる魔人でした。
しかし彼らの前に立っていたのは、「俺を殺してくれ」と願うランスロットです。
願いとは裏腹に、カオス・ランスロットの力はあまりに大きく、デス・ペネトレーションとシャイニング・ロードで星霜は瞬く間に倒されました。
殺してほしいと願う相手に勝てない、という残酷なすれ違いがここでも描かれています。

魔人化ゼルドリス登場|「パーシバルの、トリスタンの親友ではなかったのか」

魔人たちがランスロットの強さに絶望したそのとき、姿を現したのが元魔神王ゼルドリスでした。
魔人化した状態で現れたゼルドリスは「お前はパーシバルの、そしてトリスタンの親友ではなかったのか?何故だ、答えろ!」と問いかけます。
255話はここで幕を閉じました。
ゼルドリスの問いは怒りであると同時に、答えを求める問いでもあります。
ゼルドリスは甥のトリスタンを通じて、四騎士たちの絆を知っている立場です。
だからこそ、いきなり斬りかかるのではなく、まず理由を問いただしたのでしょう。

黙示録の四騎士256話予想|カオス・ランスロットVSゼルドリスの行方

ここからは独自の予想です。
256話はカオス・ランスロットとゼルドリスの激突になるはずですが、私はゼルドリスが勝つ展開にはならないと考えています。
254話でゼルドリス自身が、今のランスロットは前魔神王すら超えると評していたからです。
注目したいのは、ゼルドリスの問いかけにランスロットの自我が反応するかどうかです。
ギネヴィアを守り、行き先をねじ曲げ、「逃げろ」と叫んだように、ランスロットの意識はまだ体の奥で生きています。
パーシバルとトリスタンの名前を出されたことで、一瞬だけでも本人の言葉で答える場面があるかもしれません。
そしてその一瞬の隙が、パーシバルたちの武器や救出作戦につながる伏線になるのではないかと予想します。
もう一つ気になるのはメリオダスです。
虚ろな目でエリザベスに寄り添っていたメリオダスが、魔界の危機と「王様、ごめん」という叫びにどう向き合うのか。
弟ゼルドリスの戦いが、メリオダスを再び立ち上がらせるきっかけになる可能性も十分にあると思います。

※本記事は講談社「週刊少年マガジン」およびマガジンポケット掲載の『黙示録の四騎士』255話の内容をもとに考察しています。

まとめ|黙示録の四騎士255話はランスロットの心の叫びが胸に刺さる回

黙示録の四騎士255話「惨劇の魔界」のポイントを整理します。
1つ目は、英雄として慕われていたからこそ「逃げろ」が届かず、魔人たちが犠牲になったことです。
2つ目は、ギネヴィアを瘴気から守るために閉じ込めていたという、ランスロットの変わらない優しさです。
3つ目は、ブリタニアと妖精界を避けるランスロットに対し、キャスが「いずれ選択肢はなくなる」と余裕を見せたことです。
4つ目は、「王様、ごめん」「トリスタン、俺を恨んでくれ」という、止めてほしいと願う心の叫びです。
5つ目は、星霜を瞬殺したカオス・ランスロットの前に、魔人化したゼルドリスが立ちはだかったことです。
ランスロットの苦しさに胸が締めつけられつつ、256話のカオス・ランスロットVSゼルドリスが楽しみで仕方ない回でした。
掲載前に立てていた予想との答え合わせは、黙示録の四騎士255話考察|カオス・ランスロットと惨劇の魔界を予想もあわせて読んでみてください。

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