いっそあなたがトドメを刺してネタバレ考察|72話でトドメを握ったのは一香

その他作品考察

『いっそあなたがトドメを刺して』は、派手な見た目で誤解されがちな大学生・中条一香が、優しい顔をした遊び人・佐成航生に恋をする少女漫画です。

この記事は『いっそあなたがトドメを刺して』のネタバレ考察で、2026年10月28日時点でめちゃコミックに配信されている72話(単行本7巻分)までの展開に触れますので、未読の方はネタバレ注意でお読みください。

先に結論を書くと、72話で佐成が気持ちを打ち明けたことで、タイトルの「トドメ」を刺す役は佐成から一香へ移った、というのが本記事の主張です。

一香はずっと「いっそ振ってくれたら楽なのに」という側にいましたが、7巻で立場は完全に入れ替わりました。

なお、大事な気持ちを言葉にしないまま相手を振り回してしまう関係の読み解きについては、恋を諦めた妻が叶えたい100のこと考察|浮気の真相と朝日の本心をネタバレで詳しく考察しています。

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いっそあなたがトドメを刺しての基本情報|講談社「デザート」連載、作者は瀬戸めぐむ

作者は瀬戸めぐむ先生で、講談社の少女漫画誌「デザート」で2023年12月号から連載されている作品です。

単行本は講談社から刊行されており、最新の7巻は2026年10月に発売されました。

めちゃコミックでは、1エピソードを3分割した話売り版が72話まで配信されているほか、1エピソードずつ読める「プチデザ」版も配信されています。

めちゃコミックの評価は★4.3で、レビュー886件のうちネタバレありのレビューが367件あります。

本記事の話数は、めちゃコミックの話売り版の配信話数(001話〜072話)で書きます。

中条一香と佐成航生|「そのままの自分」を認めてくれた相手が遊び人だった

物語は、普通の恋愛がしたい一香が飲み会に参加し、親切にしてくれた佐成と出会うところから始まります。

一香は背が高く派手に見られがちで、元彼に浮気された経験から、誠実な人と付き合いたいと願っていました。

佐成は趣味が合い、一香の見た目ではなく話の中身をいいねと言ってくれる相手で、1巻の紹介文には「俺 中条には ずっと笑ってて欲しいわ」という言葉が掲げられています。

ところが2話から3話にかけて、佐成は親しい女の子が多く、割り切った相手としか遊ばない人物だと分かります。

1話のコメント欄には「タイトル物騒だからヤバいやつかと思ったら常識的で理想的」という声があり、序盤は読者も一香と同じように佐成の誠実そうな顔にだまされていたことが分かります。

押さえておきたいのは、一香が求めた「誠実さ」と、佐成が与えた「そのままの自分を認めること」が、最初から別物だったことです。

9話の告白と10話の「無理」|佐成は一香を振り切らなかった

7話から9話の夏祭りで、一香は自分から佐成に告白します。

2巻の紹介文にあるとおり、一香はこの恋はやめようと思いながらも気持ちを止められませんでした。

10話の返事は、コメント欄で「告白まさかの返答で笑っちゃった」「無理って何よ」と反応された、はっきりしない断り方でした。

しかも佐成は、そのあと一香を自宅に連れて帰っています。

11話では、まだ遊びたいという趣旨の言葉や、呼べる子が2人くらいいるという発言が出て、コメント欄には「もったいないとか言うくらいならハッキリ断れ」という声が並びました。

12話の泊まりの夜も二人は一線を越えずに終わり、3巻の紹介文によれば、一香は「俺には中条はもったいない」と振られかけたあとも、遊園地デートに誘うなど一途に頑張り続けます。

それでも佐成は、一香を完全には遠ざけませんでした。

ここで一香が置かれたのは、振られたとも受け入れられたとも言えない宙づりの場所です。

タイトルの「いっそあなたがトドメを刺して」は、この宙づりから抜け出したい一香の叫びとして読めます。

6話のコメントにも「いっそ告白して玉砕した方が気持ちが揺らがなくて良い」という声があり、読者も早い段階からこの題名を一香の心境として受け止めていました。

後輩・新の登場と36話のキス|佐成は「取られそう」になって初めて動いた

20話前後で、一香は後輩の新と出会います。

4巻の紹介文によると、新は一香への恋心を自覚し、学祭の初日には予定が崩れた一香と一緒に出店を回ることになりました。

その日の終わり、36話で佐成は突然一香にキスをします。

36話のコメント欄には「人に取られそうになったら嫌なんかい」「後輩くんのアプローチ見て焦ったかな?」という反応が並び、別のコメントでは「トドメって、コレのことかな」と題名と結びつける声もありました。

ただし、このキスはトドメにはなりませんでした。

5巻の紹介文にあるとおり、突然のキスによって二人はむしろ気まずくなってしまいます。

キスは、一香を楽にする言葉の代わりに、また一つ期待だけを残す行動だったのです。

北海道旅行とクリスマス|新の宣言と「ずっと好きでいてもらうには」

5巻では、佐成が北海道旅行に突然参加し、「仲直り」をしに来たと言い出します。

旅行中、新は一香に告白し、それをみんなの前で宣言しました。

45話のコメント欄は「宣戦布告キャラはたくさんいるけど、このシチュは予想してなかった」「あらたくんの時代来い」と新を推す声であふれています。

一方で47話あたりから、佐成の心の中が描かれる場面が増えていきます。

コメント欄によれば、佐成は「ずっと好きでいてもらうにはどうすればいい?」という問いを抱えており、読者からは「愛情を求めた親に去られたのでは」という推測が複数出ました。

そしてクリスマス、佐成は一香を抱きしめて何かを言いかけます。

佐成が恐れていたのは一香を好きになることではなく、好きになってもらい続けられないことだった、と読めるのはこのあたりからです。

母親の浮気と高校時代の彼女|6巻で佐成が一香を突き放した理由

6巻の紹介文によると、クリスマスに熱で倒れた佐成は、幼いころの家族と自分が守りたかったものを思い出します。

49話から50話のコメント欄では、佐成の母親が浮気を続けていたことが明かされたと受け止められており、「佐成の恋愛不信的なとこはここにあるのか」という反応が見られます。

看病に来た一香に手を伸ばしかけて、その手を下ろしてしまう場面も6巻の紹介文に書かれています。

年が明けて成人のつどいで帰省した佐成は、高校時代の彼女から「本当の意味で誰かのこと好きになったことあるの?」と問われ、一香を突き放してしまいました。

6巻の紹介文に掲げられた言葉は「どうか笑っててほしい 俺じゃない誰かがそばにいても」です。

1巻の「中条には ずっと笑ってて欲しいわ」と並べると、佐成の願いは最初から変わっていないことが分かります。

変わったのは、その笑顔のそばに自分がいてもいいと思えるかどうかで、6巻の佐成は「いなくていい」という答えを選んでしまったのです。

59話のコメント欄には、友人の近藤の話を聞いてケーキを買ってクリスマスに会いに行ったのに、結局同じ結論に戻ったことへの「煮え切らない」という怒りが並びました。

一香と新が付き合う7巻|「もらってばっかり」は佐成と同じ場所

7巻の紹介文によると、傷を癒そうとする一香に新が改めて告白し、二人は付き合うことになります。

デートをしたり家に遊びに行ったりと関係は順調ですが、一香は「もらってばっかり」と、気持ちを返せているのか不安を抱いていきます。

ここで注目したいのは、この不安がかつての佐成の立場とよく似ていることです。

30話のコメント欄にはすでに「佐成がヒロインにしていることと同じこと新君にしてるんだよな」という声があり、レビューにも、新の好意を知ったうえで一香が思わせぶりな態度を取ることへの戸惑いが複数書かれています。

好意を受け取りながら同じ重さで返せない苦しさは、佐成が一香に対して抱えていたものと同じ形をしています。

一香は7巻で初めて、佐成の側の景色を見たと言えます。

72話「再会」の告白|トドメを握ったのは一香だった

7巻の後半、日常から一香を失った佐成は、喪失感と後悔を知り、もう一度会いたいと動き出します。

69話のコメント欄には「既読スルーでお願いします」「タイミング」という声があり、佐成から連絡が来る流れが読み取れます。

そして72話「再会(3)」で、佐成は一香に気持ちを打ち明けます。

72話のコメント欄には「自分の気持ちに気づくの遅すぎるよ、佐成」「勝手すぎる」という声が並び、ネタバレレビューにも「好きですって告ったけど」「いきなりのさなりのリターン」という感想が寄せられています。

7巻の紹介文に掲げられた「…うそだよ ほんとは友達なんていらないんだ」という言葉も、佐成がもう友達の距離では満足できないことを示しています。

ここで構図は、物語の序盤と完全に反転しました。

かつて宙づりにされていたのは一香で、トドメを刺してほしいと願っていたのも一香でした。

72話の時点では、新という恋人がいる一香が、佐成の告白にどう答えるかを決める側に立っています。

佐成にトドメを刺すのか、それとも新との関係にトドメを刺すのか、選ぶ刃は一香の手にあるのです。

新が当て馬で終わらない理由|言葉で伝える新と、行動だけの佐成

本作のコメント欄で目立つのは、30話以降に増えていく新を応援する声です。

30話には「新くん!私は君を応援するよーっ!」「頼む…アラタくんと引っ付いてくれ」という声が並び、33話、44話、46話でも同じ流れが続きます。

ネタバレレビューにも「当て馬にするにはあまりにも良い男すぎる」「新が不憫すぎる」という感想が寄せられています。

新がここまで支持される理由は、気持ちをいつも言葉で伝えるところにあると考えます。

新は北海道旅行で告白し、それをみんなの前で宣言し、7巻では改めて告白してから一香と付き合いました。

35話のコメント欄には、新が佐成について「あの人はやばいよ」とは言わず、一香の気持ちを尊重したことを評価する声もあります。

一方の佐成は、36話のキスもクリスマスの抱擁も、言葉の代わりに行動だけで示してきました。

36話のコメントにある「態度だけじゃダメ、言葉に出して伝えて」という声は、この物語の読み方そのものを言い当てています。

一香を宙づりにしてきたのは、佐成の行動と言葉が食い違っていたことでした。

だからこそ、72話で佐成が初めて気持ちを言葉にしたことには、キスや抱擁とは違う重みがあります。

結末予想|一香は佐成と新のどちらを選ぶのか

ここからは予想です。

コメント欄とレビューは新を推す声と佐成を推す声で大きく割れており、72話にも「新くんと幸せになって」「それでも佐成と結ばれてほしい」という正反対の声が並んでいます。

本記事では、一香はすぐに佐成のもとへ戻るのではなく、まず新に誠実に向き合う選択をすると予想します。

一香が1話から求めてきたのは「誠実な人」との恋で、宙づりにされる苦しさを誰よりも知っているのも一香です。

その一香が、佐成にされたことを新にするとは考えにくいでしょう。

そのうえで、佐成への答えをはっきり言葉にすることが、一香にとっての「トドメ」になると考えます。

答えが佐成を選ぶものになるのか、きっぱり断るものになるのかは、まだ材料が足りません。

ただ、どちらの場合でも、題名どおりの決着は一香自身の言葉でつけられると予想します。

レビューによれば次の巻は2027年春ごろとされており、続きを待つ読者の声もそれだけ切実です。

まとめ|いっそあなたがトドメを刺しては、トドメを刺す側が入れ替わる物語

『いっそあなたがトドメを刺して』の一香は、9話で告白してから、振られも受け入れられもしない宙づりの場所に置かれてきました。

36話のキスも、クリスマスの抱擁も、一香を楽にするトドメにはならず、6巻で佐成は一香を突き放します。

7巻で一香は新と付き合い、「もらってばっかり」という不安を通して、かつての佐成と同じ景色を見ました。

そして72話で佐成が気持ちを打ち明けたことで、トドメを刺す役は一香の手に移っています。

一香が誰にどんな言葉で決着をつけるのかが、8巻以降の最大の見どころになると予想します。

思いを口にできない劣等感が関係をこじらせていく別の作品については、4年目の棘ネタバレ考察|レスが終わっても抜けない棘は遼の劣等感もあわせて読んでみてください。

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