【ネタバレ注意】この記事は、週刊少年ジャンプ掲載のサカモトデイズ274話・275話の内容に触れています。
最新話で盛り上がりを見せているのは、南雲与一の裏切り疑惑と生死、シンと有月(スラー)の消耗戦、そして坂本太郎本人がいつ最終決戦に合流するのかという3つの論点です。
本稿では274話からの流れを整理しながら、この3点を中心に考察していきます。
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有月(スラー)とは何者か|JCC同期・赤尾リオンとの因縁
有月憬は、かつて坂本や南雲と同じ組織JCCに在籍していた過去を持つ人物です。
現場に必ず「×」の印を残すことから「スラー」の通り名で呼ばれるようになり、現在は独自の思想を掲げる一派のリーダーとして動いています。
その思想の中心にあるのが「優しい人が優しいままでいられる世界を作る」という理念です。
この理念は、かつて有月と親しかった赤尾リオンの死をきっかけに生まれたものだとされています。
リオンはJCCの同級生として有月と関わりを深めていましたが、有月を追ったまま姿を消し、最終的に命を落としたと語られてきました。
ところが274話で晶が指摘したように、リオンが本当に望んでいたのは世界そのものの作り変えではなく「有月が生きられる世界」だったという可能性が浮上しています。
つまり有月の掲げる理想と、リオンの本当の願いとの間には、これまで気づかれてこなかったズレが存在しているのです。
南雲の裏切り疑惑|ORDER離反と死亡描写の真相
274話の南雲は、有月を追い詰める過程で決定的な言葉をぶつけます。
「赤尾を殺したのはお前だ、間違ってるのは世界じゃない、お前なんだよ」という一言は、有月が掲げる理想を真っ向から否定するものでした。
この場面までの南雲は、赤尾リオンの死の真相を独自に調べ続け、ORDERという組織の枠を超えて単独で動いていた人物として描かれてきました。
全身に纏ったタトゥーと、準備なしで別人に変身できる常軌を逸した変装の技術は、南雲というキャラクターの正体を常に曖昧にしてきた要素でもあります。
スパイの家系という出自も相まって、南雲がORDER側に本当に忠誠を誓っているのか、それとも独自の目的で動いているだけなのかは、これまでも読者の間で繰り返し議論されてきました。
そして275話、南雲は坂本人格が覚醒した有月の一撃を受け、晶をかばう形で致命傷を負います。
描写だけを見れば南雲は死亡したように読めますが、この人物にはもともと死体を残して姿を消したことがあるという前歴があります。
出血量など致命傷にしては不自然な点が指摘された過去の場面もあり、今回の最期についても「本当に死んだのか」という疑いを完全には拭えません。
裏切り者として組織に消されかけた過去を持つ南雲だからこそ、この最期がまた変装によるものなのか、それとも今度こそ本物の死なのかが、読者の間で最大の注目点になっています。
シンVSスラー|有月を引き付ける消耗戦の意味
275話でもう一つの軸になるのが、シンと有月の戦闘です。
坂本人格に乗っ取られた有月の身体は、全盛期の坂本と同じ動きを再現できる、シンにとって過去最悪クラスの相手になっています。
それでもシンは「なめんな」と啖呵を切り、バスの上での戦闘に持ち込んで有月の注意を引き付け続けました。
この行動の目的は有月を倒し切ることではなく、瀕死の坂本のもとへ晶が到達するための時間を稼ぐことにありました。
相手の心を読むエスパー能力を持つシンですが、南雲の変装すら見破れなかったように、能力だけでは対応しきれない相手が続けて現れているのが今のサカモトデイズの構図です。
だからこそシンは能力に頼らず、これまで数えきれないほど「殺されてきた」経験そのものを武器にして食らいつく形になっています。
この泥臭い立ち回りが、有月というキャラクターの規格外の強さを逆説的に際立たせているとも言えるでしょう。
晶を逃がすという一点に徹したシンの判断は、力で解決できない場面での立ち回り方として、今後の展開にも影響を残しそうです。
坂本本人の参戦タイミング|精神世界からの帰還と全盛期の殺気
読者が最も気にしているのは、坂本太郎本人がいつ戦線に戻ってくるのかという点です。
275話の坂本は、精神世界での崩壊を経て有月の身体の中で一度覚醒したものの、腹部に致命傷を負ったまま遊園地で動けない状態にありました。
その坂本が「凄まじい殺気」を放ちながら最終決戦の場へ向かい始めたところで話が締めくくられています。
つまり275話の時点では、坂本はまだ完全には合流しておらず、あくまで「向かっている最中」という段階です。
南雲が倒れ、シンが消耗し、晶が救命に走るという状況の中で、坂本の到着がどのタイミングになるのかが次話以降の最大の見せ場になると見られます。
殺し屋としての全盛期の動きを取り戻した坂本が実際に有月と対峙したとき、有月の中に残っている「もう一人の坂本人格」とどう決着をつけるのかも合わせて注目されるポイントです。
普段は家族思いの父親として描かれる坂本が、致命傷を負ってなお凄まじい殺気を放つという描写は、この作品が積み重ねてきた「日常のお父さん」と「元最強の殺し屋」というギャップを最も強く感じさせる瞬間でもあります。
独自視点|有月に宿った「二つの坂本人格」の対立が示すもの
ここからは筆者自身の推測を交えた考察です。
275話で描かれたのは、有月本来の人格を「後付けの坂本人格」が乗っ取るという異常事態でした。
これはつまり、最終決戦の舞台には「有月の身体に宿った過去の坂本」と「今まさに向かっている本物の坂本」という、二人の坂本が同時に存在する構図が生まれつつあるということです。
サカモトデイズという作品はもともと、殺し屋として最強だった過去の坂本と、家族を守るために丸くなった現在の坂本という、一人の人間の中にある二面性を描き続けてきました。
その対立構造が、有月というキャラクターを介して物理的な戦闘の形で表面化しているのが今回の展開だと筆者は見ています。
南雲が命を懸けて突きつけた「間違っているのは世界じゃない、お前なんだよ」という言葉は、有月だけでなく、かつて殺し屋だった坂本自身にも跳ね返ってくる台詞になり得ます。
本物の坂本が、自分と同じ動きをする「有月の中の坂本」とどう向き合うのかは、単なる強さ比べではなく、坂本自身が自分の過去とどう決着をつけるかという物語の核心に直結していくのではないでしょうか。
また、南雲の最期が本物の死であった場合、赤尾リオンの死の真相を知る人物がもう一人減ることになり、その真相解明は坂本自身か有月本人に託される形になります。
南雲というピースが盤面から消えることで、これまで曖昧にされてきたリオンの死の真相が、最終決戦の中でどう明かされるのかも、今後の重要な伏線になっていくと筆者は予想しています。
本記事は、週刊少年ジャンプ(集英社)掲載のサカモトデイズ274話・275話の内容、およびジャンプ関連の公式配信情報をもとに執筆しています。
まとめ
274話から275話にかけては、南雲の裏切り疑惑と最期、シンと有月の消耗戦、そして坂本本人の参戦タイミングという3つの流れが一気に交差する展開になりました。
南雲の死が本物なのか変装なのか、そして有月の中に残る「もう一人の坂本」と本物の坂本がどう決着をつけるのか、次話以降の展開から目が離せません。
同じように「本物と偽者」「過去と現在」というテーマを軸にした考察は、黙示録の四騎士の記事でも扱っているので、あわせて読んでみてください。
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