黙示録の四騎士257話考察|ゼルドリスの黒御雷とカオス・ランスロット封印

黙示録の四騎士

※この記事は『黙示録の四騎士』257話「ぬぐえぬ熱情」のネタバレを含みます。
黙示録の四騎士257話「ぬぐえぬ熱情」は、ゼルドリスとカオス・ランスロットの決闘に決着がつく回でした。
奈落(アビス)へ逃げる魔神族の動揺から始まり、ゼルドリスの問いかけ、ランスロットの「俺は戦争の騎士」という答え、黒御雷(くろみかずち)による撃破、そして怨嗟のインデュラによる封印まで、一気に物語が動きます。
この記事では、257話の流れを順に振り返りながら、ランスロットの言葉の裏側と、封印がこのまま続くのかを考察していきます。
なお、前提となる256話の内容は黙示録の四騎士256話考察|凶星雲で反撃したゼルドリス「魔神の王を舐めるなよ」で詳しくまとめています。

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黙示録の四騎士257話あらすじ|奈落(アビス)へ逃げる魔神族とシュバルツの言葉

257話は、戦場から少し離れた魔神族たちの場面から始まります。
ゼルドリスの命で奈落(アビス)へ避難する魔神族たちですが、その表情は晴れません。
奈落は、一度入れば二度と出られない牢獄です。
なぜ自分たちがそんな場所に入らなければならないのか。
魔界を人間に明け渡すつもりなのか。
魔神族の間には、王の決断に対する疑問と不満が広がっていました。
その空気を変えたのがシュバルツです。
シュバルツはゼルドリスの意図をくみ取り、これは魔神族をかつてない未曾有の危機から守るために王が下した苦渋の決断なのだと、皆に伝えます。
この言葉で、魔神族たちは考えを改めました。
さらにシュバルツは王妃に対しても、王は必ず戻ると伝えて安心させます。
戦いの場面ではありませんが、ゼルドリスが王としてどれだけ信頼されているかが伝わる、静かで大事な導入でした。

奈落(アビス)は「出られない牢獄」|ゼルドリスの苦渋の決断を読み解く

個人的に、この冒頭でいちばん重いと感じたのは、奈落が「入ったら二度と出られない場所」として描かれている点です。
ゼルドリスは、民を一時的に隠したのではありません。
出口のない場所へ送り込むという、取り返しのつかない選択をしています。
それほどまでに、カオス・ランスロットの力は魔界そのものを消し去りかねないものだったということです。
255話で星霜が瞬殺された光景を見れば、ゼルドリスの判断は決して大げさではありません。
王が民を守るために、民の自由を奪う。
この矛盾を背負える者だけが王になれる、と作品が語っているようにも感じました。
そしてシュバルツの存在も見逃せません。
王の決断を、王に代わって民へ説明できる臣下がいる。
前作『七つの大罪』で、父である魔神王の器として孤独に扱われていたゼルドリスが、今は信頼で結ばれた臣下と民を持っていることの証明です。
王妃への「王は必ず戻る」という言葉は、これから死地へ向かうゼルドリスに、帰る場所があることを示す一言でもありました。

ゼルドリスが圧倒するカオス・ランスロット戦|「友のためにも退け」の意味

場面はゼルドリスとカオス・ランスロットの決闘へ戻ります。
256話の凶星雲(オミノス・ネビュラ)で流れを引き寄せたゼルドリスは、257話では力の差をはっきりと見せつけ、カオス・ランスロットより優位に立っていました。
ここでゼルドリスが投げかけたのは、攻撃ではなく言葉でした。
自分のためにも、友のためにも退け。
魔界とブリタニア双方の溝に、これ以上亀裂が入らないように。
ゼルドリスの言う「友」が誰を指すのかは、明言されていません。
ただ、ランスロットの父バンは、前作の聖戦でゼルドリスの兄メリオダスとともに戦った仲間です。
そしてランスロット自身も、メリオダスを「王様」と慕う存在でした。
ゼルドリスにとってランスロットは、討つべき敵である前に、兄の友の息子であり、魔界と人間界をつなぐ側にいるはずの若者なのです。
「退け」という言葉には、ここで殺したくないというゼルドリスの本音がにじんでいました。

シャイニング・ロードと凶星雲|パーシバルが魔神族に残した希望

しかし、カオス・ランスロットは退きません。
返ってきたのはシャイニング・ロードでした。
ゼルドリスは凶星雲で抵抗しながら、なおも言葉をぶつけます。
パーシバルによって、魔神族の中に人間に対する希望が芽生えつつある。
お前はそれを台無しにするのか、と。
この台詞は、257話の中でもかなり重要だと感じました。
魔神族と人間は、前作から長い対立の歴史を持っています。
その溝を少しずつ埋めてきたのが、主人公パーシバルでした。
ゼルドリスが守ろうとしているのは魔界の民だけではなく、パーシバルが魔神族に残した「人間を信じてみよう」という小さな芽でもあるのです。
そして、その芽を踏みにじろうとしているのが、よりにもよってパーシバルと同じ黙示録の四騎士のランスロットだという皮肉が、この場面をより苦しいものにしていました。

2年前のパーシバルとランスロット|ゼルドリスが問いかけた「世界を救う騎士」

ゼルドリスはさらに問いかけます。
2年前、パーシバルはランスロットに勇気と力を与えられた。
そしてランスロットは、命を落としたパーシバルのために、心の底から怒り、悲しんだ。
そのお前が、なぜこんなことをするのか。
お前は世界を救う騎士の一人ではなかったのか。
この問いは、ゼルドリスが外から見ていたランスロットの姿をそのまま突きつけるものです。
ランスロットは本来、皮肉屋でありながら、パーシバルを誰よりも気にかけてきた騎士でした。
パーシバルのために本気で怒れる人間が、パーシバルの築いたものを壊そうとしている。
ゼルドリスは、その矛盾にこそランスロットを引き戻す糸口があると考えたのでしょう。
256話の「俺にも守るべきものがある」に続き、257話のゼルドリスは剣だけでなく言葉で戦う王として描かれていました。

「俺は戦争の騎士」|ランスロットの答えに隠れたもう一つの意味

ゼルドリスの問いに、ランスロットはこう答えます。
俺は戦争の騎士。
すべてを滅ぼす者。
あんたこそ退け、俺の目が届かねえ所まで。
そして再び攻撃を仕掛けてきます。
表面だけ読めば、キャスに染まりきった破壊者の宣言です。
ランスロットは黙示録の四騎士の中で「戦争」を司る騎士であり、予言どおり世界を滅ぼす側に立ったと受け取ることもできます。
しかし私は、最後の一言に引っかかりました。
「俺の目が届かねえ所まで」という言い方です。
本当にすべてを滅ぼすつもりなら、相手に逃げ場を示す必要はありません。
これは、自分の目に入ったものは止められずに壊してしまうから、見えない所まで逃げてくれ、という意味にも読めます。
255話の「俺を殺してくれ」、256話の「ギネヴィアは俺が守る」と同じく、ランスロット自身の声が、キャスの言葉の隙間からこぼれ出たのではないでしょうか。
破壊の宣言と、相手を遠ざけようとする優しさが、一つの台詞の中に同居している。
私は、ここに257話のサブタイトル「ぬぐえぬ熱情」が重なっていると考えています。

黒御雷(くろみかずち)でカオス・ランスロット撃破|ゼルドリスが守りたかった兄弟の絆

再び襲いかかるランスロットに対し、ゼルドリスは覚悟を決めます。
かつての暴君を倒し、やっと掴んだ平穏と、取り戻した兄弟の絆を失うわけにはいかん。
そう言って放ったのが、黒御雷(くろみかずち)でした。
この一撃で、ゼルドリスはカオス・ランスロットを撃破します。
「かつての暴君」とは、前作の聖戦で倒された父、魔神王のことだと読むのが自然です。
ゼルドリスは長い間、父の支配と、兄メリオダスとのすれ違いの中で生きてきました。
聖戦を経て、ようやく手に入れたのが、魔界の平穏とメリオダスとの兄弟の絆です。
ランスロットが「すべてを滅ぼす」と言ったとき、そこには魔界だけでなく、ゼルドリスがやっと取り戻したものすべてが含まれていました。
だからこそゼルドリスは、退けと言い続けた相手に、最後は全力の一撃を打ち込むしかなかったのです。
256話の「魔神の王を舐めるなよ」が誇りの言葉だったとすれば、257話の黒御雷は、失いたくないものを守るための一撃だったと感じます。

怨嗟のインデュラがカオス・ランスロットを封印|殺さずに封じた理由

倒れたカオス・ランスロットのもとに現れたのが、怨嗟のインデュラでした。
そしてインデュラが、カオス・ランスロットを封印します。
257話はここで幕を閉じました。
注目したいのは、ゼルドリス側が「殺す」ではなく「封印」を選んだ点です。
助けることも、殺すこともできない。
それなら封じるしかない、というのが今のゼルドリスにとっての最善手だったのでしょう。
ゼルドリスは「友のためにも」と語っていました。
ここでランスロットを殺せば、バンやメリオダス、そしてパーシバルとの間に、二度と埋まらない溝が生まれます。
魔界とブリタニアの亀裂を広げないためにも、命を奪わずに止める方法を選んだのだと読めます。
そう考えると、冒頭の奈落と、ラストの封印は、きれいに対になっています。
民を守るために出られない場所へ送ったゼルドリスが、最後は敵であるランスロットまで「出られない場所」に閉じ込めて守った。
257話は、ゼルドリスの「閉じ込めることで守る」という王の選び方が、最初と最後で描かれた回だったと私は考えています。

サブタイトル「ぬぐえぬ熱情」は誰の想いだったのか|三人の消えない熱

257話を読み終えてから改めてサブタイトルを見ると、「ぬぐえぬ熱情」を抱えていたのは一人ではなかったように思えます。
一人目は、ランスロットです。
キャスに体を奪われ、「すべてを滅ぼす者」と名乗りながらも、相手を遠ざけようとする言葉が口をついて出た。
2年前、パーシバルのために心の底から怒り悲しんだ熱は、キャスでもぬぐい去れなかったのだと思います。
二人目は、ゼルドリスです。
暴君だった父を倒し、ようやく取り戻した兄メリオダスとの絆と、魔界の平穏。
長い年月をかけて手に入れたものを守りたいという想いが、黒御雷の一撃に込められていました。
前作から続くゼルドリスの不器用な情の深さが、そのまま力になった場面です。
三人目は、名前を挙げるならシュバルツです。
王の決断を誰よりも早く理解し、不安に揺れる民と王妃に、王は必ず戻ると言い切った。
主君を信じ抜くという熱がなければ、あの場で魔神族をまとめることはできなかったでしょう。
敵と味方、王と臣下という立場の違いを越えて、それぞれが消せない想いを抱えて動いていた。
257話の「ぬぐえぬ熱情」は、特定の誰か一人を指す言葉ではなく、この回に登場した全員の心に共通するテーマだったと私は受け取りました。

257話事前予想の答え合わせ|ゼルドリスは予想以上に強かった

掲載前に書いた257話の事前予想では、ゼルドリスが優勢のまま決着がつくことはなく、キャスが動くと予想していました。
結果は、ゼルドリスが力の差を見せつけ、黒御雷でカオス・ランスロットを撃破し、封印まで持ち込むという展開でした。
この点は完全に外れです。
元魔神王の底力を、まだ低く見積もっていたというのが正直なところです。
一方で、「ぬぐえぬ熱情」はランスロットの消えない想いを指すという読みは、半分ほど当たったと感じています。
ギネヴィアの名前こそ出ませんでしたが、「俺の目が届かねえ所まで」という言葉には、キャスにぬぐい去られなかったランスロットの本心がにじんでいました。
そして、パーシバルのために怒り悲しんだ2年前のランスロットや、兄弟の絆を手放さないゼルドリスもまた、それぞれのぬぐえぬ熱情を抱えていたのだと思います。

黙示録の四騎士258話予想|カオス・ランスロットの封印はこのまま続くのか

ここからは独自の予想です。
私は、この封印は長くはもたないと考えています。
理由は三つあります。
一つ目は、ランスロットの中にある「魔力の湖」です。
256話でゼルドリスが見抜いた、底の見えない魔力が、封印の中で静かにとどまっているとは思えません。
二つ目は、キャスの存在です。
これまでのキャスは、追い込まれたときにこそ本性を見せてきました。
撃破と封印は、キャスにとってはむしろ次の手を打つための時間になる可能性があります。
三つ目は、封印された場所に誰が来るかです。
ゼルドリスが何度も名前を出したパーシバルが、ランスロットのもとへたどり着く展開が、最も物語的に美しいと感じます。
2年前にランスロットから勇気と力をもらったパーシバルが、今度はランスロットに力を返す。
そうなれば、ゼルドリスの「お前は世界を救う騎士の一人ではなかったのか」という問いに、ランスロット自身が答える場面が来るはずです。
また、封印の報せがメリオダスやバンに届くかどうかも気になるところです。
特にバンにとって、息子が魔界で封印されたという事実は、黙っていられるものではないでしょう。
このまま静かに終わるとは到底思えないので、次回の展開が本当に楽しみです。
※本記事は講談社「週刊少年マガジン」およびマガジンポケット掲載の『黙示録の四騎士』257話の内容をもとに考察しています。

まとめ|黙示録の四騎士257話はゼルドリスが「守る王」を貫いた回

黙示録の四騎士257話「ぬぐえぬ熱情」のポイントを整理します。
1つ目は、奈落(アビス)へ逃げる魔神族の不満を、シュバルツがゼルドリスの苦渋の決断として伝え、王妃にも王の帰還を約束したことです。
2つ目は、力の差を見せつけたゼルドリスが「自分のためにも、友のためにも退け」と、言葉でランスロットを止めようとしたことです。
3つ目は、パーシバルが魔神族に芽生えさせた希望と、2年前のパーシバルとランスロットの絆を突きつけたゼルドリスの問いかけです。
4つ目は、「俺は戦争の騎士」「俺の目が届かねえ所まで」というランスロットの答えに、本人の声がにじんでいたことです。
5つ目は、黒御雷(くろみかずち)による撃破と、怨嗟のインデュラによるカオス・ランスロットの封印です。
戦いには決着がつきましたが、ランスロットの物語はまだ何も終わっていません。
封印されたランスロットが今後どうなるのか気になる方は、【黙示録の四騎士 ランスロット考察】正体と強さの秘密もあわせて読んでみてください。

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