『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』のリンカは、ギフト《阿修羅道》に人生を縛られてきた少女剣士です。
この記事では、リンカとはどんなキャラなのか、阿修羅道の能力と強さ、元パーティーに使い捨てにされた過去、レントとの関係、そしてサポート妖精アンガーとエムピーの違いを、原作小説の本文をもとに考察します。
アニメ未放送の原作の展開にも触れるため、ネタバレ注意でお読みください。
なお、レントの相棒であるエムピーの正体については、貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収 エムピーの正体とは?悪魔説とキュゥべえとの共通点を考察【ネタバレ注意】で詳しくまとめています。
この記事の後半で扱うアンガーとの比較は、そちらを読んでおくとより分かりやすくなります。
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リンカとは?アニメ公式設定と原作のプロフィール
まずはアニメ公式サイトの紹介から整理します。
リンカはユニークギフト《阿修羅道》を持つ冒険者で、声を担当するのは松田利冴さんです。
公式の紹介文では、心優しい性格だが、ギフトの特徴ゆえに冒険者となった人物とされています。
所属していたパーティーから捨て駒にされ、絶望的な状況に陥ったところをレントに救われ、そのままレントとパーティーを組みます。
アニメでは、第3話【運用】の公式あらすじに、第三層で剣士のリンカが仲間に冷遇されていたという一文が登場しています。
原作小説では、リンカは18歳の女性冒険者です。
スカイブルーの髪をポニーテールにまとめ、身長はレントより頭ひとつ低い小柄な少女として描かれています。
ギフトの格付けはSSSで、レントの《無限の魔蔵庫》と同じ最上位ランクです。
一方で、冒険者歴は三年ありながら、出会った時点の冒険者ランクは最低のFのままでした。
最大魔力量も三年でわずか2しか伸びておらず、10しかありませんでした。
普段は明るく礼儀正しい性格で、たくさん食べる大食いキャラでもあります。
原作の後半では、本人は酒に強い酒豪だという描写もあります。
戦場では鬼神のような闘気をまとい、戦いが終わると快活な普通の女の子に戻るという落差が、リンカというキャラクターの一番の魅力です。
リンカのギフト「阿修羅道」の能力|壱之太刀の強さと欠点
リンカが持つスキルは、原作の時点ではたった一つ、【壱之太刀】だけです。
物理職のスキルは普通、短い発動語句だけで使えますが、【壱之太刀】には詠唱が必要です。
その詠唱は「一歩踏み込め阿修羅道」という言葉で締めくくられます。
発動すると、リンカの身体と剣が赤い闘気に包まれ、身体能力が爆発的に跳ね上がります。
レントが「知っているバフとは桁違い」と感じるほどの性能で、強さだけを見れば反則級のスキルです。
ただし、原作第42話で説明される欠点が深刻でした。
一つ目は燃費の悪さです。
発動に7MP、さらに1分ごとに1MPを消費するため、最大魔力量10のリンカでは数分しか戦えません。
二つ目は制御の難しさです。
一度発動すると自分の意思では止められず、武器を失うか、魔力が尽きるか、周囲の敵を全滅させるまで解除されません。
しかも解除後は技後硬直で倒れ込み、しばらく動けなくなります。
短時間しか戦えず、止められず、終われば無防備になる。
普通のパーティーが持て余したのも無理はありません。
エムピーの評価は、育て上げれば最強だが成長がとにかく遅いギフト、というものでした。
この評価を裏づけたのが、レントの【魔力貸与】と組んだ初日です。
【自動補填(オートチャージ)】で魔力を常に満タンに保ったことで、リンカは技後硬直も起こさず、一日で18のゴブリン・コロニーを潰しました。
三年で2しか増えなかった最大魔力量は、その一日で10から14に伸びています。
三日後には24まで伸び、冒険者ランクもFからEに上がりました。
さらに原作第97話では、かつて囮にされた相手と同じクアッド・スケルトンを単独で討伐し、ランクはDに上がります。
阿修羅道の本当の強さは、瞬間火力よりも「止まらないこと」にあります。
大量の敵を相手にする場面と、格上との長期戦でこそ真価を発揮するギフトだと言えます。
見落とせないのは、このギフトには代償もあることです。
リンカは戦いから離れて数日たつと、頭が割れるように痛み出し、心の中で剣を取れと囁く声が聞こえると打ち明けています。
阿修羅道は才能であると同時に、持ち主を戦場へ追い立てる呪いでもあるのです。
リンカの装備|死骨剣と猩々緋のキモノ
リンカの強さを支えるもう一つの要素が装備です。
クアッド・スケルトン戦で愛用の剣を折られたリンカに、レントはそのクアッド・スケルトンが落とした大剣『死骨剣』を渡しました。
本来は第4階層のモンスターのドロップ品で、固く、重く、鋭い高性能な武器です。
リンカは貴重すぎると最初は受け取りを拒みますが、リンカが強くなることはパーティーの得になるとレントに説得されて受け取ります。
防具も変わります。
原作第69話では、《サムライ》のムネヨシの紹介で、冒険者用のキモノを仕立てるヤギュウ堂を訪れます。
店主はいきなり木刀でリンカの腕前を試し、その動きを見てCランクでも通用するキモノを仕立てると約束しました。
のちの原作第95話では、リンカは猩々緋色のキモノと鉄紺色のハカマ姿で戦い、その効果で速度も上がっています。
骨の大剣と和装という組み合わせは、阿修羅という名前の和風な響きとも重なり、リンカのビジュアルを決定づける要素になっています。
リンカが元パーティーに使い捨てにされた理由とレントに救われた経緯
リンカが救われるまでの流れは、原作第28話から第35話にかけて描かれています。
メルバ大迷宮の第3階層に、本来は第4階層にいるはずの強敵クアッド・スケルトンがイレギュラーとして出現しました。
リンカの所属していた四人パーティーは、リンカを囮にして逃走します。
しかも魔法使いの女が土魔法で部屋の入口を塞ぎ、リンカが逃げられないようにしていました。
リンカは三年間ランクが上がらないお荷物と見なされており、仲間たちはそれを口実に彼女を切り捨てたのです。
剣が折れ、倒れたリンカに止めが振り下ろされる直前、駆けつけたレントがファイアボールを連射してクアッド・スケルトンを倒しました。
ヒールの連発で傷も全快させています。
その後、元仲間たちはギルドで「リンカは自分から囮になった」と嘘の報告をしますが、生存確認でリンカが生きていると判明し、レントとリンカ本人が現れたことで嘘が崩れます。
聴取の結果、三人は仲間を囮にした罪と虚偽報告の罪で、犯罪奴隷として鉱山送りになりました。
食堂でリンカが明かしたのは、パーティーを追い出されたのはこれで七回目だという事実でした。
心は折れたのに、ギフトのせいで冒険者を辞められない。
そう語るリンカに、レントは自分も最近パーティーを追放されたと打ち明け、まずは一日だけ試してみないかとパーティーに誘います。
こうして結成されたのが、二人のパーティー『二重逸脱(トゥワイス・エクセプショナル)』です。
ユニークギフト持ちという例外であり、さらにその中でもギフトに苦しめられてきた例外だという意味が込められています。
レントがリンカに貸した魔力の条件も見ておきたいところです。
原作第54話によると、利息は1割で返済期限はなく、一年たつまでは強制的に取り立てられない設定でした。
ガイたちに課した利息とは比べものにならないほど穏やかな条件です。
この差を見ると、レントの取り立ての厳しさは相手を選んだものだと分かります。
ガイたちへの徴収がなぜあれほど苛烈なのかは、リボ払いの仕組みを扱った記事とあわせて読むと対比がはっきりします。
アンガーとは?リンカのサポート妖精とエムピーの違い
アンガーは、リンカのギフト《阿修羅道》をサポートする妖精です。
原作で初めて登場するのは、第2部の始まりにあたる第123話です。
レントがガイたちへの強制執行を終えた夜、突然現れて「マスターリンカを助けるサポート妖精」だと名乗りました。
サイズはエムピーと同じ手のひらサイズですが、印象は正反対です。
一人称は「俺っち」で、リンカを姉御と呼び、口調はやんちゃそのものです。
見た目はスラリとした美しい女の子ですが、目つきが鋭く、白い特攻服のような服に「喧嘩上等」などの刺繍を入れています。
エムピーいわく、目つきと態度は最悪だが、根はまっすぐな妖精です。
エムピーとの一番の違いは、役割の方向にあると筆者は考えています。
エムピーは魔力運用のプランナーで、利息や返済計画を計算し、悪質な債務者からは容赦なく取り立てます。
リンカを最初に見つけたときも、彼女を極上の優良投資先と呼んでいました。
つまりエムピーの視線は、常にお金や魔力の流れに向いています。
対してアンガーは、ひたすらリンカ本人に忠実な子分です。
原作の描写を見る限り、帳簿をつけるタイプではなく、主を慕って全力で応援する舎弟のような存在です。
酒に強いリンカとは対照的に、アンガーは酒に弱くすぐ真っ赤になるという描写もあります。
名前の由来にもヒントがあります。
原作の第1部キャラリストでは、レントのギフトが示す罪は「強欲」、リンカのギフトが示す罪は「憤怒」と書かれています。
憤怒は英語でアンガーです。
レントの妖精が魔力を増やし続けることに執着するのも、リンカの妖精が喧嘩っ早いのも、それぞれのギフトが背負う罪の性格を映していると読めます。
リンカとレントの関係|恋愛はある?ヒロインとしての立ち位置
リンカは物語のメインヒロインと言ってよい立ち位置にいます。
ただし、二人の関係はすぐに恋愛へ進むわけではありません。
原作第48話では、ランクアップを報告したリンカが涙ながらに感謝を伝え、レントも一緒に号泣します。
ここで描かれているのは、恋というより、互いに救われた者同士の深い信頼です。
一方で、リンカ視点で描かれる間章『リンカ』の最終話、原作第55話には少し危うい心情も書かれています。
レントの魔力を受けて思う存分戦えた高揚感を知ったリンカは、もうレントから離れられなくなったと自覚するのです。
感謝と同時に、自分をこの道に引き込んだ責任を取ってもらう、という独白で間章は締めくくられます。
リンカの好意には、恩人への感謝と、阿修羅道を満たしてくれる相手への依存の両方が混ざっていると読めます。
関係が一歩進むのは原作第94話です。
リンカは、本当は花屋さんになりたかったという子どもの頃の夢を打ち明けます。
成人の儀で《阿修羅道》を授かり、その夢を諦めるしかなかったのです。
そのうえで、ギフトとともに生きると決めたと告げ、「ちゃんと最後まで責任取って下さいね」とレントに迫ります。
プロポーズとも取れる言葉に、レントは心をざわつかせながらも、魔力貸しとして返済が終わるまでついて行くという言い方で返しました。
レントが踏み込めない理由も原作には書かれています。
元婚約者ミサとの一件で女性が苦手になり、リンカを女性として意識しないよう心に蓋をしてきたのです。
第2部の原作第182話では、阿修羅道の衝動が強まったリンカがレントに迫る場面もありますが、寝ぼけたアンガーが肩から転げ落ちて空気が壊れてしまいます。
恋愛はありつつも、決定的な一歩はまだ先送りにされている、というのが現時点の関係です。
レントの性格面の評価については、レントがクズと言われる理由を考察した記事でも触れています。
独自考察|空色のリンカと「断空の剣」、憤怒を飼い慣らすヒロイン
ここからは筆者の考察です。
一つ目は、リンカの「空色」という配色です。
原作ではリンカの髪がスカイブルーや空色と何度も書かれています。
そしてレントを追放したパーティーの名前は『断空の剣』、空を断つ剣です。
原作第94話の地の文には、空は断ち斬るためにあるのではなく、高く飛んでいくためにあるという一節があり、二つの翼があれば飛んでいけると続きます。
空を断つ剣から追い出されたレントが、空色の髪の剣士と二人で新しいパーティーを組む。
リンカは、レントが失った居場所を上書きする存在として意図的に配置されているのではないかと筆者は読んでいます。
二つ目は、リンカがレントの「鏡」だという点です。
原作第97話で、リンカはクアッド・スケルトンの残骸に剣を叩きつけ続け、レントに後ろから抱きしめられてようやく止まります。
レントはそれを、ガイたちとの決闘のあとにリンカが自分を止めてくれた場面の逆だと振り返っています。
レントの中には奪い尽くせと命じる強欲があり、リンカの中には壊し尽くせと命じる憤怒がある。
二人はお互いの暴走を止めるブレーキとして組まれているのです。
だからこそ筆者は、二人の関係の行き着く先は、単なる恋愛成就ではなく、互いのギフトを飼い慣らした状態だと予想しています。
レントがリンカに課した「返済期限なし」という条件も、その象徴に見えます。
期限がないということは、取り立てて関係を終わらせる日が来ないということです。
ガイたちとの関係が返済で終わったのに対し、リンカとの関係は貸し借りが続くこと自体が絆になっている。
ここに、この作品が描く「良い貸し借り」と「悪い貸し借り」の違いが表れていると考えます。
本記事のキャラクター設定とアニメのあらすじは、TVアニメ『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』公式サイトの記載をもとにしています。
原作は、まさキチさんの小説で、現在はカクヨムに掲載されています。
漫画版は飯島しんごうさんによるコミカライズで、フレックスコミックス「COMICメテオ」で連載されています。
リンカの関係性や今後の展開に関する部分は、原作本文をもとにした筆者個人の考察・予想であり、公式設定ではありません。
まとめ|リンカは阿修羅道に縛られながらもレントと並んで戦うヒロイン
リンカは、SSSランクのユニークギフト《阿修羅道》を持つ18歳の少女剣士です。
スキル【壱之太刀】は反則級の強さを持ちながら、燃費の悪さと制御の難しさから、七回もパーティーを追放されてきました。
囮として使い捨てにされたところをレントに救われ、【魔力貸与】で魔力を補ってもらうことで、ようやくギフトの真価を発揮できるようになります。
サポート妖精アンガーは、エムピーのような魔力運用の参謀ではなく、リンカに忠実な舎弟タイプの妖精で、名前はリンカのギフトが示す罪「憤怒」に通じています。
レントとの関係は恋愛の気配をはらみつつも、互いの暴走を止め合う相棒としての絆が軸になっています。
アニメではリンカが登場したばかりなので、阿修羅道の本領が描かれる場面を楽しみに待ちたいところです。
原作のどこまでがアニメ化されそうかは、アニメがつまらないと言われる理由と原作どこまでかを考察した記事でまとめているので、あわせて読んでみてください。
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