『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』のサポート妖精エムピーは、可愛い相棒なのか、それとも妖精の姿をした悪魔なのか。
この記事では、エムピーの正体、キュゥべえと比較される理由、最終的にレントすら喰い物にするのか、そしてなぜエムピーが汚れ役を担うのかを、アニメ公式サイトの設定と第4話までの放送内容をもとに考察します。
アニメ第4話【強敵】までの内容と原作設定に触れるため、ネタバレ注意でお読みください。
なお、作品全体の爽快感がどこから来ているのかについては、『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』考察|爽快感の正体は復讐ではなく「返済」だで詳しくまとめています。
あわせて読むと、この記事で扱うエムピーの役割がより立体的に見えてくるはずです。
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エムピーの正体|アニメ公式設定で分かっていること
まずは、考察の土台になる事実から整理します。
アニメ公式サイトのキャラクター紹介では、エムピーはレントのユニークギフト《魔蔵庫》をサポートするために出現したサポート妖精とされています。
声を担当するのは加藤英美里さんです。
同じ紹介文には、見た目は可愛らしく頼れる相棒だが、性格は悪魔的な一面もあると書かれています。
さらに、魔力運用が生きがいで、悪質な債務者には容赦がないという一文も添えられています。
公式が最初から「悪魔的」という言葉を使っている点は、正体を考えるうえで見逃せません。
登場の経緯は、アニメ第2話【契約】の公式あらすじで確認できます。
パーティー「断空の剣」を追放されたレントの前に突如現れたのが、ギフト妖精エムピーです。
彼女は、ギフトが【無限の魔蔵庫】へ進化し、スキル【強制徴収】を獲得したことで、貸した魔力を強制的に取り戻せるとレントに告げます。
そしてガイたちに返り討ちにされたレントが【強制徴収】を発動したとき、返済方法を選んだのはレントではありませんでした。
公式あらすじの言葉を借りれば、笑顔の裏に本性を隠すエムピーが勝手に選んだ返済方法が、恐るべき「魔力リボ払い」だったのです。
出版社の単話紹介でも、ギフトの進化と同時に出現したサポート妖精エムピーに導かれたレントが、取り立てを決意すると書かれています。
つまり、エムピーはギフトの外から来た存在ではなく、ギフトの進化と同時に現れた、ギフトに付属する存在です。
ここまでが、公式情報から確実に言える範囲です。
エムピーがどこから来たのか、誰が送り込んだのか、ほかにも同じような妖精がいるのかといった点は、アニメ公式の情報では明かされていません。
この記事では、そこを断定せず、確認できた設定から筋道を立てて推測していきます。
エムピーは悪魔なのか|「悪魔的な一面」という言い回しを読む
ファンの間で一番多い疑問が、エムピーは妖精のふりをした悪魔なのではないか、というものです。
ここからは筆者の考察になります。
結論から言うと、筆者はエムピーを「悪魔」ではなく「ギフトの人格」だと読んでいます。
根拠は、公式紹介文の言葉の選び方です。
公式は、エムピーを悪魔とは書いていません。
書かれているのは、悪魔「的な一面」があるという表現です。
正体そのものが悪魔なら、ここまで遠回しに書く必要はありません。
むしろ、可愛い妖精という本体に、悪魔のように見える振る舞いが付いていると読むほうが自然です。
では、その悪魔的な振る舞いはどこから来るのか。
筆者は、ギフト【強制徴収】の性質そのものだと考えています。
強制徴収は、相手の同意を取らずに貸したものを回収する力です。
相手の事情を汲んだり、返済を待ってあげたりする機能は、そもそもこのスキルの役目に含まれていません。
そのスキルを代わりに運用する存在がいるなら、性格が取り立て屋寄りになるのは当然です。
エムピーが冷たく見えるのは、彼女が悪意を持っているからではなく、仕組みに忠実だからだと筆者は見ています。
もう一つの手がかりが、「魔力運用が生きがい」という設定です。
悪魔のイメージは、人の魂や不幸を糧にする存在です。
一方でエムピーの生きがいは、魔力を回収して増やし、レントの成長に回すことです。
実際に第3話【運用】の公式あらすじでも、レントは強制徴収で得た魔力を運用して新たなスキルを解放し、短剣術や火魔法を身につけています。
エムピーが欲しがっているのは誰かの破滅ではなく、魔力という資産がきちんと回っている状態です。
債務者が苦しむのは結果であって、目的ではありません。
この違いは小さいようで、今後の展開を読むうえではかなり大きいと考えています。
悪魔は苦しめること自体を楽しみますが、取り立て屋は回収できれば手段を問わないだけです。
筆者の見立てでは、エムピーは後者に近い存在です。
エムピーがキュゥべえと比較される理由|加藤英美里と「契約」の共通点
エムピーの話題になると、必ずと言っていいほど『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえの名前が挙がります。
理由の一つは、はっきりしています。
エムピー役の加藤英美里さんは、キュゥべえの声を担当した声優でもあるからです。
可愛らしい小さなマスコットが、愛らしい声で、主人公に力の使い方を持ちかける。
この構図が重なるだけで、視聴者が身構えるのは無理もありません。
しかも、エムピーが初めて本格的に動くアニメ第2話のサブタイトルは【契約】です。
マスコットと契約という組み合わせを見て、キュゥべえを思い出さないほうが難しいでしょう。
ただ、筆者は両者を並べたときに見えてくる「違い」のほうが重要だと考えています。
ここからは筆者の考察です。
キュゥべえが恐れられたのは、契約した本人から取り立てる存在だったからです。
願いを叶える代わりに、その代償を負うのは契約者自身でした。
一方のエムピーは、公式あらすじを見る限り、レントから何かを取り立てているわけではありません。
彼女が魔力を回収する相手は、レントを追放したガイたち元仲間です。
エムピーはレントの債務を管理しているのではなく、レントの債権を管理しています。
立っている位置が、キュゥべえとはちょうど反対なのです。
もう一つの違いは、説明の順番です。
エムピーは第2話の時点で、ギフトの進化と強制徴収で魔力を取り戻せることを、レントに自分から伝えています。
レントにとって不利な条件を隠して契約させた、という描写は公式あらすじには出てきません。
勝手に決めたのは、レントの側ではなく債務者側の返済方法です。
この点を踏まえると、エムピーがキュゥべえと比較されるのは、正体が似ているからではなく、声と外見と「契約」という言葉が呼び起こす警戒心のせいだと筆者は考えます。
ただし、視聴者に警戒させること自体が演出として効いているのも確かです。
エムピーが笑うたびに、何か裏があるのではと疑ってしまう。
公式が「笑顔の裏に本性を隠す」と書いている以上、制作側もその疑いを狙って使っていると見てよさそうです。
なぜエムピーが汚れ役を担うのか|レントの手を汚さない取り立て代行の構造
この作品を見ていて気になるのが、残酷な場面の多くでエムピーが前に出ていることです。
ここからは筆者の考察です。
筆者は、エムピーが汚れ役を担うのは、主人公レントの人物像を守るための設計だと考えています。
公式サイトのキャラクター紹介では、レントは辺境の村出身の心優しい少年とされています。
一方で作品紹介には、激しい怒りと復讐心が芽生えたことでギフトが進化したとも書かれています。
心優しい少年と、復讐心。
この二つを一人の主人公に同居させるのは、実はかなり難しい作業です。
レント本人が元仲間の苦しむ顔を見て笑ったり、利息の取り方を自分で考えたりすれば、視聴者は彼を心優しい少年としては見られなくなります。
かといって、取り立てが甘ければ、追放された怒りの物語として成立しません。
そこで置かれたのが、エムピーという取り立て代行の存在だと筆者は見ています。
第2話のあらすじで、返済方法をエムピーが「勝手に」選んだと明記されているのは象徴的です。
レントが望んだのは、貸したものを返してもらうことまでです。
リボ払いという、聞くだけで胃が痛くなる方法を選んだのは、レントではなくエムピーです。
この役割分担によって、レントは「返してほしい」という正当な要求だけを持ち、厳しさの部分はエムピーが引き受ける形になります。
現実でたとえるなら、貸した本人が直接取り立てに行くのではなく、回収の専門家に任せる構図に近いかもしれません。
貸した側は顔を合わせずに済み、回収の厳しさは専門家の仕事として処理されます。
ファンの間で、エムピーにヘイトを集めて主人公のヘイトを薄めているのでは、という声が出るのも、この構造に気づいているからでしょう。
ただ、筆者はこれを単なるヘイト逃がしだとは思っていません。
エムピーが汚れ役を担うことで、レントには「本当にここまでやっていいのか」と迷う余白が残ります。
第4話【強敵】のあらすじでは、レントはエムピーとの絆を深めながら第三層へ進み、仲間に囮にされた剣士リンカを助けに向かいます。
取り立てに容赦のない相棒の隣で、見捨てられた人を助けに走る。
この対比があるからこそ、レントの優しさが嘘に見えないのです。
エムピーは、レントの冷酷さを肩代わりする存在であると同時に、レントの優しさを際立たせる鏡にもなっています。
エムピーは最終的にレントすら喰い物にするのか|今後の予想
最後に、ファンが一番気にしている問いを考えます。
エムピーはいつか、レント自身も喰い物にするのでしょうか。
ここから先は、公式情報をもとにした筆者の予想です。
筆者の答えは、「レントが債務者にならない限り、喰い物にはしない」です。
根拠は、公式紹介文にある「悪質な債務者には容赦がない」という一文です。
この書き方は、裏を返せば、エムピーの容赦のなさが向かう先には条件があることを示しています。
対象は「悪質な債務者」です。
誰に対しても牙をむく存在なら、わざわざ相手を限定する必要はありません。
エムピーの行動には、貸し借りのルールという軸が通っていると考えられます。
現時点のレントは、魔力を貸した側、つまり債権者です。
エムピーにとってレントは取り立ての対象ではなく、回収した魔力を預けて運用する相手です。
資産を増やすことが生きがいの存在が、一番大きな資産の持ち主を自分から潰すのは、筋が通りません。
ただし、この予想には一つだけ例外があります。
それは、レント自身が誰かに借りを作ったときです。
もしレントが約束を破ったり、借りたものを返さなかったりすれば、エムピーのルールはレントにも同じように適用されるかもしれません。
エムピーが本当に怖いのは、レントを裏切る可能性ではなく、レントを特別扱いしない可能性だと筆者は考えています。
もう一つ注目したいのが、第4話で出会ったリンカの存在です。
公式サイトでは、リンカはユニークギフト《阿修羅道》を持つ冒険者で、捨て駒にされたところをレントに救われ、レントとパーティーを組む人物と紹介されています。
レントは魔力を貸し与えるギフトの持ち主です。
新しい仲間と組めば、いずれまた誰かに力を貸す場面が来るはずです。
そのときエムピーがどんな顔をするのかが、彼女の正体を見極める一番の試金石になると筆者は予想しています。
信頼できる相手への貸しには寛容なのか、それとも誰に貸しても同じように利息を数えるのか。
前者なら、エムピーは悪魔ではなく、レントの成長を見守るお目付け役です。
後者なら、エムピーはレントの味方というより、ギフトのルールそのものの番人ということになります。
どちらに転んでも、エムピーがルールの外で気まぐれにレントを裏切る展開は、現時点の公式設定からは考えにくいというのが筆者の見立てです。
キュゥべえのような裏の目的があるかどうかは、アニメの今後の放送でじっくり確かめていきたいところです。
本記事の作品情報、キャラクター設定、各話のあらすじは、TVアニメ『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』公式サイトの記載をもとにしています。
原作は、まさキチさんの小説で、現在はカクヨムに掲載されています。
漫画版は飯島しんごうさんによるコミカライズで、フレックスコミックス「COMICメテオ」で連載されています。
正体や今後の展開に関する部分は、公式情報をもとにした筆者個人の考察・予想であり、公式設定ではありません。
まとめ|エムピーの正体は悪魔ではなくギフトのルールそのもの
エムピーについて公式に分かっているのは、《魔蔵庫》をサポートするために出現したサポート妖精であること、悪魔的な一面があること、魔力運用が生きがいで悪質な債務者には容赦がないことです。
そのうえで筆者は、エムピーを悪魔ではなく、強制徴収というギフトのルールに人格が宿った存在だと考えています。
キュゥべえと比較されるのは、声優が同じで、契約という言葉が重なるからです。
ただし、エムピーが取り立てる相手はレントではなく、レントを追放した元仲間たちです。
汚れ役を引き受けているのは、心優しい少年というレントの人物像を守りながら、取り立ての厳しさを物語に残すためだと読めます。
そしてレントが喰い物にされるかどうかは、レント自身が債務者になるかどうかにかかっている、というのが筆者の予想です。
リンカと組んだレントが、次に誰へ力を貸すのか。
そのときのエムピーの反応に注目しながら、アニメの続きを見届けたいと思います。
作品全体の構造をもう一度押さえたい方は、爽快感の正体は復讐ではなく「返済」だと考察した記事もあわせて読んでみてください。
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