『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』で、借りた魔力を返済できないとどうなるのかを、カクヨムに掲載されている原作版の本文から考察します。
利息を滞納したときのペナルティ、踏み倒しや債務者の死亡の扱い、《無限の魔蔵庫》の能力がどこまで育つのか、元パーティー『断空の剣』の行く末までを扱います。
TVアニメは第4話【強敵】まで放送済みで、本記事はアニメ未放送の原作ネタバレを含むため、アニメ組の方はネタバレ注意でお読みください。
なお、取り立てがなぜ痛快に感じられるのかについては、『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』考察|爽快感の正体は復讐ではなく「返済」だで先にまとめているので、あわせて読むと本記事の話が入りやすくなります。
話数はすべてカクヨム原作版のもので、漫画版やアニメの話数とは一致しません。
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魔力を返済できないとどうなる|利息滞納でスキルとギフトが強制執行される
結論から書くと、利息を払えなかった債務者は、創世神から授かった恩恵を魔力に換算されて取り上げられます。
原作第111話では、期限の日に利息を払いきれなかったガイのステータスから、5年間で覚えたスキルがすべて消えています。
さらにギフトは、Bランクの《上級剣士》からCランクの《中級剣士》へ格下げされました。
換算のルールも細かく書かれていて、スキルはレントが購入する場合の価格の100分の1、ギフトも同じく100分の1で返済に充てられます。
たとえば【剣術(LV3)】は購入なら計111,000MPなので、返済に回るのはわずか1,110MPです。
《上級剣士》は300万MP相当とされ、格下げ1段階で3万MPが返済に回りました。
取り上げる順番は、スキル、ギフト、冒険者ランク、最大魔力量、能力と続き、最終的には成人の儀でギフトを授かる前の状態に戻るまで奪われると明記されています。
第123話のアナウンスでも、スキルとギフトを魔力に変換して返済に割り当て、余った分は元本に回すと告げられ、レントは「もう冒険者は廃業だ」と受け止めています。
ここで注目したいのは、ガイが追放以来はじめて元本を減らせたのが、この強制執行の瞬間だったことです。
毎日きちんと払っても利息にしか届かず、すべてを差し出したときにだけ借金が減るという皮肉が、このペナルティの本当の怖さだと考えます。
強制執行の前に打てる手|魔力回復ポーションと「優良債務者」の差
では、返済できない状態に落ちる前に、債務者にできることはなかったのでしょうか。
原作では、利息の期限は10日ごとに区切られ、ステータスには借入量、利息、不足分、期限が表示されます。
第104話のガイたちは、不足分を埋めるために魔力回復ポーションを買い込み、飲める限界と言われる1日5本を5日間飲み続ける計画を立てました。
しかし副作用に耐えきれず、エルがさぼり、ミサは限界を超えて倒れ、計画は崩れていきます。
第242話でも、ポーションを飲む、モンスターを倒して最大魔力を増やすといった債務を減らす方法はあると説明されています。
つまり出口は形式上は用意されていて、それを使いこなせるかどうかが債務者に委ねられている作りです。
対照的なのが、レントの仲間たちです。
第242話でエムピーは、リンカとラーシェスを優良債務者と呼び、安心確実な貸し出しプランなので心配ないと言い切っています。
第10章のあらすじでは、【魔蔵庫貸与】の利用者の多くが、最大魔力量の2倍を借りて利息2割、2日間で返すスタンダードプランを選んでいると整理されています。
借りた魔力で強くなり、強くなった分で返すという循環が回っている限り、同じギフトが相手を育てる力に変わります。
同じあらすじでは、貧民街で治療院を営む聖女コットンが、患者を救うために緊急貸与までして限界まで借り、リボ地獄の一歩手前に追い込まれたことも語られます。
彼女を救ったのは、その人望を知る冒険者たちによる肩代わりでした。
返せなくなった債務者にも、周りの人間が手を差し伸べれば抜け出す道があることを、作品はガイたちとの対比で描いていると考えます。
返済できるかどうかを分けたのは魔力の量ではなく、借りた力を自分の成長に変えられたかどうかだと読めます。
踏み倒しはできるのか|パーティー離脱・逃亡・死亡でも債務は消えない
次に、債務者が逃げ道を探した場合を見ていきます。
一番わかりやすいのはパーティーからの離脱で、第106話ではエルが、取り立て対象は『断空の剣』だから抜ければ関係ないと考えて脱退し、ミサも後に続きます。
ところが第108話で確認されるように、抜けても取り立てが3分の1になるだけで、各自が自分の借りた分を返す形に切り替わるだけでした。
第67話でエムピーは、パーティーが解散しても各メンバーから相当分を徴収するので、バックレることは不可能だと説明しています。
力ずくで止めることもできません。
レントが第60話の決闘で見せた【債権者保護】は、債務者からの攻撃を貸付量に比例したダメージまで無効化するスキルです。
第241話では20人の債務者に襲われますが、攻撃はひとつも届きませんでした。
債務者が死んだ場合の扱いも、第67話で答えが出ています。
エムピーの説明では、死亡時は魂を魔力に変えて弁済させるので、取りっぱぐれはありません。
ただし、取り立てる側にとって死は得ではありません。
第241話のレントは、債務者を殺すのは大きな損失だとして最弱魔法のファイアボールで手加減し、第242話ではギルドに頼んで処刑ではなく鉱山送りにしてもらいます。
理由は、生かさず殺さずが最善だからです。
つまりこの作品の最大のペナルティは死ではなく、生きたまま一生スキルを使えず、魔力を払い続ける状態に固定されることです。
第2部で始まる【魔蔵庫貸与】には信用ランクがあり、滞納すると最下位のブロンズに落ち、返済不能になると貸与そのものが使えなくなります。
そして悪質と判断された債務者は権利剥奪のうえ、ガイたちと同じ無限リボ地獄に入ります。
元パーティー『断空の剣』の末路|第112話の結末はifストーリーだった
「魔力リボ ネタバレ 最後」で検索すると、ガイたちの最後が気になっている人が多いはずです。
原作第112話『エピローグ』には、ミサがポーション中毒で廃人になり、エルは夜の街に売られ、ガイは片腕を失い物乞いになったらしいという噂話が書かれています。
ただし、第2部冒頭の第123話で作者は、第112話は第1部で完結させるつもりで書いたものなので、ifストーリーだと思ってほしいと注意書きを入れています。
第2部は第100話の直後、レント視点のカウントダウンから始まり直しています。
そのため、この3人の具体的な末路は、正史としては確定していないと読むのが正確です。
正史で確定しているのは、スキルとギフトを失って冒険者を廃業したことと、まだ完済にほど遠いことです。
第171話には、『断空の剣』からの取り立てが1日1,000MPで、その収入は奴らが死ぬまで変わらないという記述があります。
ここからは自分の予想です。
3人が再び敵として立ちはだかる展開は考えにくいです。
第99話でエムピーは、取り立てをやめたら1年後には3人とも死んでいると答えており、彼らは取り立てによって生かされている側に回ったからです。
一方で、第269話ではレントがガイとミサと同じ村で育った捨て子だったと語られ、第282話でも幼い頃の思い出が出てきます。
レントの出自が掘り下げられる流れの中で、債権者としてではなく幼なじみとしての決着が、いつか描かれるのではないかと見ています。
取り立てた魔力の「運用」でレントはどう強くなるのか|無限の魔蔵庫の能力一覧
「無限の魔蔵庫 能力」で知りたいのは、取り立てた魔力が何に変わるのかでしょう。
原作で確認できたスキルの成長を、話数順に並べます。
- 第10話:【魔力運用LV1】最大魔力量増加。100MP消費ごとに最大魔力量が1増える
- 第13話:【魔力運用LV2】魔力出納。累計10万MP消費で解放され、本人と魔蔵庫の間で魔力を出し入れできる
- 第14話:【魔力運用LV3】スキル購入。累計35万MP消費で解放され、人間が取得できるスキルなら理論上どれでも買える
- 第40話:【魔力貸与】がLV2に成長。リンカと新パーティーを結成したとき
- 第60話:【債権者保護】を15万MPで購入
- 第123話:【強制徴収】がLV2に成長し【自動取立】が使用可能に。ガイたちへの強制執行の直後
- 第146話:【魔力貸与】がLV3に成長し【魔蔵庫貸与】が使用可能に。初めてクランを結成したとき
大事なのは、強くなる手段が【スキル購入】だという点です。
ギフトに縛られず魔法も武術も買えるので、第10章のキャラ紹介では火・水・風・土・光・闇など9系統の魔法スキルを持つ姿になっています。
一方で天井もあり、第124話で最大魔力量が9,999に達すると【運用制限】が発動し、【魔力運用LV4】を1,000万MPで手に入れるまで最大値は増えなくなりました。
そこでレントは、自分の魔力を増やす方向から、貸し付けを増やして利息を得る方向へ切り替えます。
第171話の時点で、1日の収入は自然回復55,000MP、リンカとラーシェスの利息が数百MP、【魔蔵庫貸与】の利息が3,000MPと整理されています。
ここで一覧を見直すと、成長のきっかけは、取り立てを実行したとき、仲間とパーティーを組んだとき、クランを組んだときに集中しています。
《無限の魔蔵庫》は、ひとりで鍛えるギフトではなく、貸す相手との関係が増えるほど育つギフトだと読めます。
「踏み倒されないと進化しない」は誤解|《無限の魔蔵庫》へ至る2つの道
ファンの間では、裏切られて踏み倒されないと進化しないギフトだという声があります。
確かに第6話で語られた進化条件は、一定量以上の魔力貸付があることと、激しい感情とともに心の底から返済を願うことの2つでした。
ところが第98話で、エムピーはもうひとつの方法を明かします。
それは《魔蔵庫》のまま一定量以上の返済を受けることで、総返済量が10万MPに届けば進化していたと言うのです。
ガイたちが素直に返していれば、レントは誰も恨まずに同じギフトへ進化していたことになります。
エムピーは、SSSランクを授かる者には呪われた道と、他人を信じて進む道の2つが用意されていると説明します。
レントは信頼ではなく裏切りで覚醒したため、呪われた道の入り口から物語が始まったわけです。
この設定は、追放ものの「ざまぁ」が実は最短ルートではなく、遠回りだったと示している点が面白いと感じます。
無限の魔蔵庫は成長するほど呪いに近づくのか|七罪の烙印「強欲」と内なる獣
第98話で、SSSランクとは「Stigma of Seven Sins」、つまり七罪の烙印だと明かされます。
《無限の魔蔵庫》が示す罪は強欲で、すべてを奪い尽くそうという願望です。
レント自身も、以前の自分なら謝罪と利息付きの返済で許していたはずなのに、奪えるものはすべて奪えと心がささやいたと振り返っています。
スキルが育つほど、他人を壊せる力が増えるのも事実です。
第123話で【自動取立】を覚えたレントは、設定値をゼロにすれば戦闘中の相手からスキルを奪えると気づいてぞっとします。
エムピーは相手の許可がなければ発動しないと答えますが、悪質な債務者なら話は別だとも付け加えました。
第262話では、内なる獣がエムピーの姿で現れ、名前を押すだけで債務者の人生を終わらせる幻を見せます。
レントはリンカやラーシェスの存在を思い出して踏みとどまりますが、獣が狙っているのは、正当な取り立てなら良心が痛まないという理屈そのものです。
ここからが本記事の考えです。
呪いに近づく原因はスキルのレベルではなく、債務者の数だと見ています。
【魔蔵庫貸与】は第10章の時点で全ギルドに広まり、第286話では狩りの街で【魔蔵庫貸与】がトラブルのもとになっていると語られます。
貸す相手が増えれば、返せない人も、悪質債務者も必ず増えます。
第99話でエムピーが言った、善良な魔力貸しは存在できないという言葉どおり、取り立ての回数が増えるほど、レントは強欲を試される場面に立たされます。
行き着く先については、第275話で、創世神が七罪の刻印者に天使との戦いを課したと明かされているのが手がかりです。
上限のない魔蔵庫に貯まった魔力は、レント個人の強さよりも、刻印者たちが天使と戦うための軍資金として使われるのではないかと予想します。
そのとき、取り立てで集めた魔力を仲間に貸し与える側に立てるかどうかが、呪われた道と他人を信じて進む道の分かれ目になるはずです。
※作品情報はTVアニメ『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』公式サイト(revo-anime.com)と、COMICメテオ(kirapo.jp)の作品ページ、カクヨムに掲載されているまさキチの原作版をもとにしています。原作の話数と記述は、カクヨム原作版の本文で確認しました。
まとめ|返済できない債務者は「生かさず殺さず」、無限の魔蔵庫は強欲と隣り合わせ
魔力を返済できないと、スキル、ギフト、冒険者ランクの順に恩恵を魔力へ換算され、ギフトを授かる前の状態に戻るまで奪われます。
パーティー離脱でも死亡でも債務は消えず、取り立てる側はむしろ債務者を生かしたまま払わせ続けることを選びます。
『断空の剣』の具体的な末路を描いた第112話はifストーリーで、正史では冒険者を廃業したまま、死ぬまで返済を続ける立場にあります。
《無限の魔蔵庫》は取り立てと仲間づくりのたびに育ち、【スキル購入】と【魔蔵庫貸与】でレントを強くしていきます。
その一方で、貸す相手が増えるほど強欲の罪に試される構造になっており、天使との戦いに向けて、その魔力を何に使うのかが今後の焦点になると考えます。
取り立てがなぜ読者にとって気持ちよく映るのかは、爽快感の正体は復讐ではなく「返済」だと考察した記事でも掘り下げているので、あわせて読んでみてください。
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ここで書いた読み方を頭に入れて読み返すと、同じ場面でも見えてくるものが変わります。DMMブックスなら試し読みから電子で読めます。
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