貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収 ミサとは?元婚約者の末路と変貌を考察【ネタバレ注意】

その他作品考察

『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』のミサは、主人公レントの幼馴染で元婚約者という、追放ものの中でもいちばん裏切りが重い立場のキャラクターです。

この記事では、ミサとはどんなキャラなのか、元婚約者なのにレントを追放した理由、魔力リボ払いの取り立てで変わっていく姿、そして原作小説で描かれたミサの末路を、カクヨム掲載の原作本文をもとに考察します。

原作第1部の結末まで触れるため、ネタバレ注意でお読みください。

なお、魔力リボ払いの利率や複利の仕組みそのものについては、貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収 リボ払いの仕組みとは?10日8%の複利と後出し契約を考察【ネタバレ注意】で詳しくまとめています。

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ミサとはどんなキャラ?元婚約者で《上級魔術士》の幼馴染

まずは、ミサの基本情報を整理します。

ミサはパーティー『断空の剣』の魔術士で、レント、ガイと同じ村で育った幼馴染です。

アニメ公式サイトのキャラクター紹介では、ギフトは《上級魔術士》で、美しい見た目とは裏腹に、狡猾で自分の保身のためなら他人を利用する性格とされています。

アニメで声を担当するのは関根明良さんです。

原作小説では、成人の儀で授かったギフトは《魔術士》で、レントの魔力に支えられて《中級魔術士》から《上級魔術士》へと進化しました。

使えるのは【火魔法】や【風魔法】で、決闘では最大魔法のファイアトルネードを放っています。

そして原作第1話で明かされるのが、ミサがレントと将来を誓い合った恋人だったという過去です。

追放の場面でミサは、無能が元婚約者だと思うと吐き気がする、という意味の言葉をレントに浴びせます。

幼馴染であり、婚約者でもあった相手から真っ先に切り捨てられる。

この一点だけでも、ミサが読者からガイ以上に嫌われやすい理由が分かります。

元婚約者なのにレントを追放した理由|ミサの婚約は打算だった

元婚約者なのに、なぜミサはレントを追放する側に回ったのか。

答えは原作第8話にはっきり書かれています。

ミサがレントに言い寄った理由は、成人の儀でレントが授かったSランクのユニークギフト《魔蔵庫》の将来性でした。

もともとミサの好みはガイの方で、レントの顔立ちも性格もタイプではなかったと地の文で説明されています。

恋愛感情はなく、キスすら交わしたことがないまま、都合の良い相手としてキープしていただけでした。

だからこそ、魔力回復の腕輪が手に入り、レントの魔力がなくても戦えると判断した瞬間に、ミサはあっさりとガイへ乗り換えます。

ここで見落とせないのは、ガイへの愛情もまた打算だったという点です。

第8話では、ミサがガイを選んだのは、ガイがAランク冒険者になりそうだからだと書かれています。

実際、取り立てが始まってガイが役に立たなくなると、ミサはすぐにガイにも見切りをつけています。

つまりミサの行動原理は、最初から最後まで「誰の隣にいれば自分が得をするか」でした。

レントを追放したのは裏切りというより、ミサにとっては乗り換え先を変えただけの、ごく自然な損得勘定だったわけです。

決闘で見えたミサの本性|「本当に愛しているのはレント」は命乞いだった

ミサの打算がもっともはっきり表れるのが、メルバの街でのレントとの決闘です。

取り立てで魔力が回復しなくなっていたミサは、ガイに言われて魔力回復ポーションを立て続けに5本飲み干し、吐き気をこらえながら最大魔法のファイアトルネードを放ちます。

しかし、レントが用意していたスキル【債権者保護】によって、炎の竜巻はレントの目の前で消え去りました。

債務者からの攻撃を、貸している魔力の量に応じて無効化するスキルです。

レントから借りた魔力で強くなったミサは、その魔力の持ち主には攻撃が届かないという、皮肉な構図に置かれていたことになります。

勝ち目がないと悟ったミサは、地面を這いながら、自分はエルとは違う、本当に愛していたのはレントだと言い出します。

レントは一度だけ昔の口調でやり直すかと聞き返したうえで、その言葉を突き放しました。

追放のときにミサから浴びせられた侮辱を、そのまま返す形です。

原作では、リンカが止めなければミサを殺していたかもしれない、とレント自身が振り返るほど感情が高ぶった場面でもあります。

ここで押さえておきたいのは、ミサの「愛している」が、追い詰められるたびに出てくる命乞いの言葉になっている点です。

決闘後も、ミサは他の冒険者にレントを襲わせようと酒場で依頼を持ちかけ、逆に手持ちの資金を奪われたうえ、計画を酒場中に暴露されます。

誓約を破ろうとしたことでレントから激痛の嫌がらせまで受けますが、それでもミサは引き下がりませんでした。

ミサの変貌|顔の傷・厚化粧・空色のワンピースに見る「醜さ」の正体

ミサについては、借金がかさむにつれてケバく、醜くなっていくという印象を持つ読者も多いはずです。

ただ、原作本文を確認すると、借金のせいで容姿そのものが崩れていくと書かれた場面は見当たりません。

外見の変化として描かれているのは、次のような場面です。

決闘でレントに叩きのめされた後、治療院で包帯を外したミサの顔には、よく見ないと分からないほど薄い傷跡が残りました。

冒険者なら気にもしない程度の傷ですが、ミサは自分の完璧な美貌が損なわれたと激怒します。

治すには追加で20万ゴルが必要でしたが、すでにギルドから借金をしている一行には払えませんでした。

次に印象的なのが、原作第83話から第84話の誘惑の場面です。

ミサはレントが好きだと言っていた空色のワンピースに着替え、髪を編み上げて入念に化粧をし、香水をたっぷりと振りかけてギルド前で待ち伏せします。

香水の匂いは5メートル以上離れたレントのところまで漂ってくるほどでした。

読者が「ケバい」と感じるのは、まさにこの場面でしょう。

ミサは、本当に愛しているのはレントだと言い、もう一度やり直そうと迫ります。

これに対してレントは、ワンピースは綺麗だが、汚い心の持ち主が着ていると曇り空にしか見えない、という趣旨の言葉で突き放しました。

そして、自分が好きなのはこの色だと言って、リンカのスカイブルーの髪に触れます。

筆者は、ミサの「醜さ」の正体はこの場面に集約されていると考えています。

レントは決闘前の再会の場面でも、昔は綺麗だと思っていた顔が、怒りに駆られた今は醜悪に見えると語っています。

ミサの見た目が変わったのではなく、打算という中身が透けて見えるようになったことで、同じ顔が醜く見えるようになった。

原作が描いている変貌は、外見の劣化ではなく、化けの皮が剥がれていく過程だと読むのが自然です。

ミサの末路|魔力回復ポーション22本の誤算と廃人エンド

ここからは、ミサの末路を原作第1部の流れに沿って追います。

誘惑に失敗したミサは、ダンジョンで稼ぐ案を出しますが、装備は壊れ、武具も買い叩かれて資金は尽きていきます。

原作第93話では、すっかりやつれ切った三人が、ついにレントへ頭を下げます。

ミサは嫌々なのが丸分かりで、唇を噛んで血をにじませながら膝をつきました。

レントは、ミサが謝るしかない状況だと理解できる程度には頭が回るからこそ膝をついたのだ、と冷めた目で見ています。

謝罪すら損得の計算から出てきたものだったため、レントの心が動くことはありませんでした。

最後に残った手段は、魔力回復ポーションを飲んで、回復した魔力をそのまま返済に回すことでした。

ポーションは1日5本が限界とされ、飲みすぎると強烈な吐き気や副作用に襲われます。

三人の中でいちばん飲み慣れていたのはミサで、ノルマの5本をきちんと飲み切り、サボるエルを叱りながらパーティーを回していました。

転機は第106話から第108話です。

先にエルがパーティーを抜け、借入が3分の1に減ったと分かると、ミサも脱退を宣言します。

自分一人ならノルマを達成できると考えていたからです。

ところが、脱退後に表示されたミサの不足分は10,687MPで、ポーション22本分でした。

エルの不足分7,532MPより明らかに多く、ミサはその場にへたり込みます。

理由は『断空の剣』の戦い方にありました。

ミサは最大魔力のほぼすべてを使う最大火力の魔法を、レントの魔力のおかげで毎回のように撃っていたため、三人の中でいちばん多くの魔力を借りていたのです。

ちなみに、この脱退で一番得をしたのはガイで、不足分はポーション10本まで減っていました。

追い詰められたミサは唇を噛み切りながら立ち上がり、限界の5本を超えて7本目を飲み干したところで倒れます。

原作第110話では、短期間の大量摂取による急性中毒で、すでに手遅れだったと書かれています。

そして利息の締め日に強制執行が行われ、ミサはスキルをすべて奪われ、ギフトも中級に下がりました。

原作第112話『エピローグ』では、ミサはポーション中毒で廃人になり、特効薬開発のための検体としてギルド治療院で世の役に立っている、という噂がレントの耳に入ります。

これが、ミサの末路として広く知られている結末です。

第112話のミサの結末はifストーリー?正史で確定していること

ただし、ミサの末路を語るうえで注意したい点があります。

原作第2部の冒頭にあたる第123話で、作者は第112話『エピローグ』について、第1部で完結させるつもりで書いたものなのでifストーリーだと思ってほしいと注意書きを入れています。

第2部は第100話の直後、レント視点のカウントダウンから始まり直しています。

そのため、検体として治療院にいるという結末は、正史として確定したものではありません。

第2部の本文で確定しているのは、強制執行によってスキルとギフトが魔力に変換され、三人が冒険者を廃業したこと、それでも完済にはほど遠いことです。

さらに原作第171話では、『断空の剣』からの取り立てが1日1,000MPで、その収入は彼らが死ぬまで変わらないと書かれています。

つまり正史のミサは、廃人として退場したと言い切れる状態ではなく、生きたまま返済を続ける債務者として物語の外側に残っていると読むのが正確です。

ガイの側の結末も同じ扱いになるので、三人の末路や強制執行の仕組みは関連記事もあわせて確認してみてください。

独自考察|ミサは「一番賢い債務者」だったからこそ破滅した

ここからは筆者の考察です。

原作のレントは、三人の中で一番頭がマシなのはミサだと評しています。

実際、レントのせいで魔力が戻らないと最初に疑ったのもミサですし、他人にレントを襲わせる案を出したのも、パーティーを抜けても借金は消えないと見抜いたのもミサでした。

それでもミサが三人の中でいちばん悲惨な結末を迎えたのは、彼女の賢さが常に「自分だけ助かる計算」に使われていたからだと筆者は考えます。

婚約はギフトの将来性への投資で、ガイとの関係はAランク昇格への投資でした。

そしてパーティー脱退は、仲間を切り捨てて自分の負債だけを軽くするための計算でした。

ところが、その計算には自分がいちばん多く借りていたという前提が抜けていました。

最大火力の魔法を毎回撃てたのはレントの魔力のおかげで、その恩恵をいちばん多く受けていたのはミサ自身です。

他人の価値は値踏みできても、自分が受け取ってきたものの大きさだけは勘定に入れていなかった。

魔力リボ払いは、借りた量に応じて正確に請求が来る仕組みなので、その見落としが22本という数字になって返ってきたわけです。

もう一つ注目したいのが、空色の扱いです。

ミサにとって空色のワンピースは、レントの好みを利用するための道具でした。

一方のレントにとって空色は、子どもの頃に三人で見上げた夏の空の色で、その思い出はリンカの髪の色に引き継がれます。

原作第282話でもレントは、ガイやミサと村で遊び回った幼い頃を思い出しています。

レントが憎んでいるのはミサという人間すべてではなく、あの頃の空を打算で汚した今のミサなのかもしれません。

正史のミサが生きている以上、いつか幼馴染としての決着が描かれる可能性は残っている、というのが筆者の予想です。

本記事のキャラクター設定は、TVアニメ『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』公式サイトの記載をもとにしています。

原作は、まさキチさんの小説で、現在はカクヨムに掲載されています。

漫画版は飯島しんごうさんによるコミカライズで、フレックスコミックス「COMICメテオ」で連載されています。

ミサの心理や今後の展開に関する部分は、原作本文をもとにした筆者個人の考察・予想であり、公式設定ではありません。

まとめ|ミサの末路は打算で生きた元婚約者への正確な請求書

ミサは、レントの幼馴染で元婚約者でありながら、ギフトの将来性だけを見て婚約し、役に立たないと判断した途端にガイへ乗り換えたキャラクターです。

借金で容姿が崩れたというより、顔の傷に激怒し、厚化粧と空色のワンピースで元婚約者に迫る姿を通して、打算という中身が透けていく過程が描かれていました。

原作第1部では、パーティー脱退の計算違いからポーション22本のノルマを背負い、中毒で倒れるという末路をたどります。

ただし廃人として検体になる第112話の結末は作者がifストーリーと位置づけており、正史で確定しているのは、スキルとギフトを失って冒険者を廃業し、今も返済を続けていることです。

ミサの破滅は、自分が受け取ってきた恩恵だけを勘定に入れなかった人への、正確すぎる請求書だったと言えるでしょう。

強制執行で何が奪われるのか、三人の結末をもう少し詳しく知りたい方は、魔力を返済できないペナルティを考察した記事もあわせて読んでみてください。

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