『敵国に嫁いだ戦場の天使は冷酷騎士に溺愛される』9話のネタバレ考察です。
第9話「惨めで可哀想なお姉様(1)」では、屋敷で待っていた客の正体が妹サザリーだと分かり、マリーは過去を盾に滞在を認めさせられます。
この記事は第9話までの内容を扱い、結末のネタバレを含むので、未読の方はご注意ください。
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敵国に嫁いだ戦場の天使は冷酷騎士に溺愛される9話あらすじ|客の正体はサザリー
デートから戻ったマリーとディートリヒが部屋に入ると、「お姉様!」という声とともにサザリーが駆け寄り、マリーに抱きつきます。
「会いたかったわ」と目を潤ませる妹に、マリーは言葉を失いました。
サザリーはディートリヒに向き直ると、マクマーツィー家次女として丁寧に挨拶します。
訪問の理由は、当家から派遣したメイドが迷惑をかけた件を謝罪するためというものでした。
ディートリヒは、当人を送り返したことで不問とした、これ以上の配慮は不要だと返します。
それでもサザリーは引かず、慣れない土地で一人になった姉が心配だったと続け、二人きりで話したいと言い出しました。
「いいでしょう?」と笑いながら握った手には、周りから見えないところで強く力が込められています。
マリーは「ええ、そうね」と答えるしかありませんでした。
「なんて惨めで可哀想なのかしら」|二人きりで見せたサザリーの本性
ディートリヒが部屋を出ると、マリーは「どうして来たの?」と尋ねます。
サザリーの答えは、生家だけでなく国からも追い出された姉が気の毒だと思って、というものでした。
サブタイトルにもなった「惨めで可哀想」という言葉を、笑いながら投げつけるのです。
さらにサザリーは、しばらくこの家に滞在すると宣言します。
ロッタから手紙で色々と聞いていて、ディートリヒが日中いないから姉は寂しいのだろう、自分が話し相手になってあげると言うのです。
「まさか敵国の男に売られてよかったなんて思ってないわよね?」と挑発されたマリーは、はっきり言い返しました。
売られたなんて思っていない、ディートリヒ様は大切に扱ってくださっている、私を家族だと言ってくれた、優しくて素敵な方だと。
しかし、自分の一存では滞在を認められないと断ろうとしたマリーに、サザリーは決定的な一言を告げます。
「この家の人たちはお姉様が戦争中何をしていたのかご存じなのかしら?」
9話の結末|同じ部屋で眠るという要望と、ディートリヒの沈黙
その後、ロベールはディートリヒに、妹君がしばらく滞在を希望していると報告します。
しかも滞在中は姉妹一緒の部屋で就寝したいという要望つきでした。
つまりその間、マリーは寝室に来られなくなります。
ワインの手を止めたディートリヒに、ロベールは、はるばる会いに来るほど姉を慕っているのだろう、マリー様のためにも姉妹水入らずは悪くないと進言しました。
ディートリヒは「わかった」と受け入れます。
最後に映るのは、一人で手を胸元に当てて黙り込む彼の姿です。
独自考察|サザリーの本当の狙いは「夜の手つなぎ」ではないか
第9話で一番怖いのは、脅し文句よりも「同じ部屋で就寝したい」という要望だと考えます。
一見すると、仲の良い姉妹らしいお願いにしか聞こえません。
ところが、夫婦の寝室から妻を引き離すという効果は的確です。
第4話で、ロッタは夜伽がないことを知ってマリーをなじっていました。
そのロッタから手紙で色々と伝えられていたのなら、夜の過ごし方も伝わっていた可能性があります。
第6話でサザリーが読んでいた手紙も、この話を踏まえるとロッタからのものだったと考えられます。
もちろん、手紙の中身までは描かれていません。
ただ、第3話で考察したように、ディートリヒが眠るためにマリーの手と声を必要としているのだとすれば、この要望は妻だけでなく夫も追い詰めます。
コメントの「早く追い出さないとディートリヒ睡眠不足に?」という冗談は、案外核心を突いているかもしれません。
サザリーがそこまで見抜いているのかどうかは、次の話以降の見どころです。
独自考察|「救う」と「家族」を奪いに来たサザリー
サザリーの言葉を並べると、第7話と第8話で夫がくれた言葉を、順に奪いに来ているように読めます。
第7話のディートリヒは「救えないことのほうがつらい」と言いました。
サザリーは「意にそぐわない婚姻からお姉様を救ってあげたい」と言います。
同じ「救う」でも、片方は苦しみに寄り添う言葉で、もう片方は相手を惨めな存在と決めつける言葉です。
第8話の「俺たちは家族なんだ」に小さく「はい」と答えたマリーは、今回は妹の前で「私を家族だと」と口にしました。
まだ頼り方も分からないまま、それでも初めて家族という言葉を自分の支えとして使った場面です。
「売られたなんて思ってない」と言い返せたことは、第1話で「道具のように」と沈んでいた頃からの大きな変化でしょう。
だからこそ、サザリーの「へえ」という冷たい目が効いてきます。
姉が幸せだと知った瞬間に、むしろ本気になったように見えるからです。
第6話の考察で書いた「なぜ姉の結婚生活を壊したいのか」という謎は、ここでも答えが出ていません。
独自考察|看護師の過去が弱みになるのは、マリーが隠してきたから
「戦争中何をしていたのか」が脅しとして成立するのは、なぜでしょうか。
マリーが傷ついた人を救っていたこと自体は、恥じることではありません。
それでも弱みになるのは、父に「賤職」と呼ばれ、絶対に口を滑らせるなと命じられ、マリー自身もずっと隠してきたからです。
第3話で仕事の話を飲み込み、第4話で本で知っただけとごまかしてきた積み重ねが、ここで裏目に出ました。
隠している限り、秘密はサザリーの武器であり続けます。
ここで皮肉なのは、第8話でディートリヒが子どもの手当てを見て「変わっていないんだな」とつぶやいていることです。
もし彼がすでに何かを知っているのなら、マリーが一番恐れている秘密は、夫に対しては脅しにならないのかもしれません。
ただし、マリーはそれを確かめられないまま、妹の言いなりになってしまいました。
「俺では力になれないだろうか」と言われた第6話のように打ち明けられれば話は変わるはずですが、今回は秘密そのものが脅しの材料なので、簡単には相談できません。
独自考察|善意のロベールが許可を後押しする怖さ
今回、サザリーの作戦を最後に通したのはロベールの助言です。
第7話と第8話で頼もしかった執事が、悪意なく妹の滞在を後押ししてしまいました。
「姉を慕っておいでなのでしょう」という見立ては、挨拶も涙も完璧だったサザリーを見れば無理もありません。
握りしめた手に気づいたのは読者だけで、部屋を出たディートリヒたちには見えていないのです。
これは第2話で、父の前で姉をかばうふりをして本音を耳元でささやいた手口と同じです。
コメントの「なんで誰も立ち聞きしてないんだよ」「早くあいつの本性をみんな気づいて欲しい」という叫びも、この構図から来ています。
第6話でマリーが頼りにした「屋敷の人を信じる」という強さは、人の良さゆえに騙されるという弱さと表裏です。
とはいえ、ディートリヒの「不問とした、これ以上の配慮は不要」は、かなり冷たい言い方でした。
ロッタの件を通じて、彼もマクマーツィー家を完全には信用していないはずです。
最後に黙って胸元へ手を当てた姿には、その引っかかりと、夜の時間を失う寂しさの両方が読み取れます。
9話で残った謎|サザリーは屋敷で何をするのか
第9話を読み終えて、次の4つが気になりました。
- サザリーはマリーの過去をどこまで知っていて、いつ使うのか
- ロッタの手紙には何が書かれていたのか
- マリーと離れた夜、ディートリヒは眠れるのか
- 同じ部屋で、サザリーはマリーに何をするのか
コメントの「胸糞悪い回が続くのか」という不安のとおり、幸せなデートの直後とは思えない落差です。
続きは第10話「惨めで可哀想なお姉様(2)」で、作品ページでは1話55ptとなっています。
読み終えたら、第10話の考察もあわせてどうぞ。
まとめ|敵国に嫁いだ戦場の天使9話は幸せの直後に妹が居座る転換点
『敵国に嫁いだ戦場の天使は冷酷騎士に溺愛される』第9話は、涙の再会を演じたサザリーが、看護師の過去を盾に屋敷へ居座るまでを描きました。
マリーが「売られたなんて思ってない」と言い返せた成長と、秘密には逆らえない弱さが同時に見える回です。
一緒の部屋で眠るという要望によって、二人の大切な夜の時間も奪われてしまいます。
同じ部屋で始まる夜の続きは、第10話の考察で読めます。
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